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談話 被災者のための復興に
2013.03.25
談話 被災者のための復興に
兵庫県保険医協会理事長 池内 春樹
東日本大震災から2年の年月が流れた。
被災地では建物の土台のみがまるで墓標のように海に向かって立っている。あらためて亡くなられたり行方不明の2万人の皆様のご冥福をお祈りする。
涙とともに思い出すのは、住民の避難を最後まで防災無線で呼びかけて殉職した、南三陸町職員の彼女のことだ。TPP交渉に参加するいま、監視社会でない助け合いの地域のきずなをもっと密にしよう。
今回の震災の復興が遅れている最大の原因は、放射能の汚染と津波の問題だが、お金の問題もある。民主党政権に復興国債100兆円の、速やかな執行を求めたが果たされなかった。
安倍政権はアベノミクスとして、成長産業の育成を経済活性化の目玉にしているが、原発を廃炉にし、燃料棒の保管方法や放射能除染の方法の研究に予算をつけてほしい。太陽光や風力発電の買い取りにも予算をつけほしい。地熱発電の開発にも予算をつけてほしい。ロシアの天然ガスや米国のシェールガスに頼るのでなく、日本近海のメタンハイドレートの開発を促進してほしい。
そしてなにより、岩手、宮城、福島など東北6県で、今なお仮設住宅に住んだり県外に避難されている30万人以上の皆さまに、住宅と仕事を作ってほしい。
明日を信じて耐えている子どもたちに、福島の小児科医が空いている倉庫を利用して全天候型の遊び場を造った記事を読んだ。ドーム型の遊び場もできそうだ。未来を担う子どもたちのために、すばらしい明日を創るために、できることから始めよう。
一人ひとりが日本の未来のために全力を尽くそう。そのためのノウハウを兵庫県民は持っている。