兵庫県保険医協会

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2016年・新年のごあいさつ

2016.01.05

新年のごあいさつ
さらなる高みをめざす年に
兵庫県保険医協会理事長 西山 裕康

 会員の皆さま、明けましておめでとうございます。

 昨年中は協会の活動にご理解、ご協力くださいまして、誠にありがとうございます。特に「ストップ患者負担増」署名に際しましては、目標の5万筆には及びませんでしたが、4万1598筆を集めることができました。ご協力いただいた皆さまのおかげであり、感謝いたします。しかし、協力会員が全会員の7%、署名数が兵庫県民550万人の1%にも及ばなかったのは、「患者住民とともに地域医療の充実・向上をめざす」医療団体としては、いささか力不足で今後の課題でもあります。

 さて、アベノミクス旧「3本の矢」である「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」により、企業の業績は大きく改善しましたが、配当や役員報酬に回り、残りは内部留保として積み増されました。そのため、投資拡大→賃金増加→消費拡大のもくろみは外れ、デフレ脱却、3%の「名目」経済成長率は望めません。

 新「3本の矢」は「希望を生み出す強い経済」「夢を紡ぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」です。その「名目」は私たちの思いと違わないはずですが、「現実」は、社会保障の抑制と消費税再増税です。他にけん引産業は見当たらない上に、社会保障の目的でもある再分配機能を否定するような方向は、経済を萎縮させるとともに、さらに格差を拡大させるのではないでしょうか。

 本来、「社会保障と税の一体改革」は社会保障を充実させ、財源確保には応能負担の原則を貫き、逆進性の高い消費税ではなく、負担能力のある企業、高所得者の税や保険料率の見直しをすべきです。

 7月には18歳から投票できる初めての参議院議員選挙が行われます。日本や世界の歴史、平和と紛争、格差や貧困、健康や教育に関する幅広い基本的知識を身につけ、自身が暮らすこれからの日本の姿を大きく、正しく見据えての一票を期待します。医療・社会保障に関して私たちも、その原則と役割を会員内外の若い人に啓発しなければならないと考えます。

 私は昨年6月に理事長を拝命し、三つの指針、三つのスローガンを掲げて活動してまいりました。それらに加え、たとえ少数であっても、悩みや困難を抱える会員に配慮したいと思います。

 「猿も木から落ちる」と申しますが、まだまだ木登りは下手で、落ちても痛くない高さですので、さらに高みをめざしたいと思っています。本年も執行部、事務局員とともに努力する所存ですので、今後一層のご理解、ご協力、ならびにご指導、ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。

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