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談話 今後も消費税引き下げをめざして
2019.09.25
昨年より、GDP世界第3位の日本を挟み、1位と2位の米中が経済冷戦を激化させ、中国経済の減速や英国のEU離脱など、世界経済の先行きも不透明です。韓国などの周辺諸国との政治問題も経済問題へと広がる今、消費税増税は「台風の前に窓を開けておく」ようなものです。今、消費税を増税できる状況にないことは明らかです。
ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマンは、増税に関して「当然やるべきでない政策です。もし安倍政権がゴーサインを出せば、これまでやってきたすべての努力が水の泡となるでしょう。日本経済はデフレ不況に逆戻りし、そこから再び浮上するのはほとんど不可能なほどの惨状となります」と述べています。消費税増税は、個人消費を落ち込ませ、地域と国の経済の致命傷となる危険性をはらんでいます。
政府は、消費の落ち込み、低所得者対策として、軽減税率、ポイント還元、プレミアム付き商品券などを行うとしています。しかしこれらの政策は煩雑なだけで、一時的で限定的な効果しかありません。増税の悪影響は徐々に明らかになってくるでしょう。アベノミクスが成果を上げ「好景気」であるなら2%の増税など問題ではないはずです。対策というならば、「10%ストップ!」こそが、最大の増税対策でしょう。
参議院選挙で自公が過半数を得たからと言って、全ての政策を無条件で信任したわけではありません。2014年に税率が8%に引き上げられて以降、これまでに2回、10%増税を世論の力で押し止めるなど、消費税増税に反対する世論は強いものです。
野党内では8%への「消費税減税法案」も構想されています。協会も、多くの国民と協同し、国民の暮らしと医院の経営を危機に追い込む消費税を引き下げるよう、力強く主張していきます。