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兵庫県保険医協会 第53回総会を開催します 理事長 西山 裕康
2021.06.20
協会は、6月20日第53回総会を開催いたします。総会は最高意思決定機関であり、その重要性に鑑み、新型コロナウイルス感染対策を徹底したうえで開催すると判断いたしました。
さて、安倍首相の辞任後、安倍政権を継承するとした菅首相は、めざす社会像として「自助、共助、公助」「まずは、自分でできることは自分でやってみる。そして、地域や家族で助け合う。その上で、政府がセーフティーネットで守る」との発言をくり返しました。現代社会にはびこってきた「自己責任論」をより強固にする、権力中枢からの「政府責任放棄論」を公言するものです。
社会保障は、隣近所の助け合いではありません。「努力すれば、不幸から抜け出せる」という考えは、真理とは程遠く、「勝ち組」の無神経な傲慢以外の何物でもありません。貧困と格差の固定は、弱者から是正を求める声を奪い、互いに排除の感情を強めるとともに、才能ある人材の潜在的能力を見逃し、社会全体にとっても不幸な結果となりがちです。憲法25条が正しく機能していれば、もっと挑戦的に自由に生きられるのではないでしょうか。
今回、コロナ禍により、病床が逼迫し、「自助」「共助」が中心となる自宅やホテルでの待機中、あるいは介護施設の中で亡くなる方が増加しています。この原因は感染症病床の不足による医療崩壊であり、国民生活の最後の砦である「公助」たる社会保障制度の機能不全といえます。国民の命と健康を守るためには、これまでの政治を大きく転換する必要があります。
総会では、昨年度の会務報告並びに新年度方針案、予算案をお諮りし、役員改選の承認をお願いします。また、総会終了後には「感染症と文明~コロナ禍で問われる医療と社会保障」と題しまして、長崎大学の山本太郎教授による記念講演を予定しております。
ご多忙中、またコロナ禍のおり、誠に恐縮に存じますが、何卒ご理解の上、ご参加いただきますようお願いいたします。