兵庫県保険医協会

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談話 1・17を震災の教訓を継承する機会に

2022.01.25

 1995年1月17日の阪神・淡路大震災から27年を迎えました。明石海峡を震源とするM7・3の地震は、神戸市を中心に甚大な被害をもたらし、犠牲者は6434人に達しています。NHKによると、地震当日に亡くなられた5036人のうち、3842人は地震から1時間以内に亡くなられ、このうち9割が圧迫死と推測されています。

 このように具体的数字に言及するのは躊躇しますが、記憶を新たに、犠牲になった方々とその家族、友人、知人の皆様に思いを馳せ、防災、減災への努力を怠らないため必要です。新聞、TVだけでなくネット上にも震災特集が少なくなく、画像や動画もありますので、ご覧いただき震災について考える機会にしていただければと思います。

 この震災を教訓とし、消防やレスキュー体制の高度化や広域連携が進められ、医療においてはDMATが組織されました。また、自衛隊や自治体との協力、耐震補強の見直し等の防災対策が進みましたが、まだ不十分な点も少なくなく、その改善努力も鈍化しているように思われます。防災計画や防災マニュアル、防災教育、防災・避難訓練の充実だけでなく、各個人の避難先や連絡方法の確認、防災グッズの整備・更新、家具の転倒防止対策も重要です。

 津久井進弁護士(兵庫県弁護士会会長)によりますと、災害は「その社会の課題を一気に表出させる」「普段から準備していないことはできない」とのことです。広原盛明氏(元京都府立大学長) は「地震は自然現象、災害は社会現象、復興は政治現象」と述べています。

 コロナ禍にも通じますが、政治現象としての復興には問題が少なくありません。今も震災アスベストによる健康問題や、借り上げ復興住宅からの追い出し問題などの課題は続いています。協会は震災発生以来、国・県に対して「人間の尊厳ある暮らしの再建」の実現を要求してきました。今後も被災者本位の復興へ運動を続けてまいります。

 最近の気象状況をみても、近い将来災害は必ずやって来ます。震災後に生まれた世代が2割を超え、コロナ禍により追悼式典は縮小あるいは減少していますが、教訓を継承する機会としなければなりません。

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