兵庫県保険医協会

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談話 東日本大震災・福島第一原発事故から12年 被災者本位の復興を

2023.03.15

2032_04.jpg 巨大な地震と津波により、1万5900人が命を亡くされた東日本大震災から12年が経過しました。この時期の東北地方の寒さの中、被災された方々の当時の苦境に思いをはせると胸が痛みます。あらためて震災で亡くなられた方々とそのご遺族に対し深く哀悼の意を表します。
 今なお、3万1千人以上の避難者が災害公営住宅、全国の親戚・知人宅等で不自由な暮らしを続け、近畿地方だけでも、いまだ多数の方々が生活しておられます。避難者の高齢化と避難生活の長期化は、ふるさとでのコミュニティ再建をますます難しくしています。被災地及び全国の避難者が生活を取り戻し、心身の安らぎを得られるようにするのは国家の責任です。
 政府は、福島第一原発事故避難者らを対象とした、医療・介護保険料の全額免除措置と医療費窓口負担全額免除を23年度から段階的に打ち切る方針ですが、とんでもない誤りです。また、地元との約束を反故にする、福島第一原発からの汚染「処理水」海洋投棄は許されません。
 3年来の新型コロナ禍の下、メモリアル行事は縮小され、加えて震災そのものを知らない世代も増え続けています。私たちの役割は、大震災の記憶を風化させず後の世代に伝えること、今後のための被災者の生活保障にかかわる法制度整備、実際に被災した地域や人々の実情に即した、いっそう重要性を増す地道な交流と活動の継続です。
 大災害の学習や生活要求をまとめる行事の継続も必要ですが、個人や地域住民任せにするのではなく、国や地方自治体の責任として行うべきであり、被災者生活再建支援法の改正などを通じた住民の生活保障の増額、防災、減災の具体策と国民への啓発活動を怠らないよう、求め続けます。「災害列島」日本では、誰しもが、いつ被災者になるともしれません。「南海トラフ地震」も遠くない将来、高い確率で予測されており、災害発生時の応急対策はもちろん、その後長く続く復旧と生活の再建は決して他人事ではありません。
 阪神・淡路大震災から28年を迎え、兵庫協会は、「創造的復興」の美名を借りた大型公共事業やインフラ再開発ではなく、被災者・住民本位の生活再建と、支援制度の拡充こそが重要と考えています。この間のたたかいで一歩ずつ、累次にわたる被災者生活再建支援法の改正をかちとり、20年には住宅損壊率30%以上40%未満の「中規模半壊」世帯への最大100万円の支援金を実現しました。
 これからも兵庫協会は、東日本大震災被災者の皆さん、被災地協会、保団連と全国の保険医協会の力を合わせて、住民の暮らし、「人間の復興」を求め、ともに被災者生活の再建をすすめてゆく所存です。
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