2010年10月05日(1635号) ピックアップニュース
燭心
9月22日は中秋の名月だった。陰暦8月15日だ。古来人々は、月の満ち欠けを1カ月の単位としてきた。暦を作る上で、新月から上弦の月、満月、下弦の月と繰り返す月の公転周期は1カ月より短いため、うるう月を入れて調整してきた。秋の夜長、ススキやその年に獲れたお米で作った団子をお供えして今年の豊作を祝うお月見は、感謝祭でもある。お隣の中国でも、月餅を食べ豊作を喜び、満月を愛でるお月見がある▼文化を共有する中国が、尖閣諸島の領有権をめぐって圧力をかけている。青年訪中団の延期や、レアアース(電子機器に欠かせない希少鉱物)の輸出禁止だ。経済的発展による人口増で、どの国も資源確保に躍起になっている。農産物、水産資源、水、鉱物資源、海底資源などなどだ▼狭い地球の中で争うのはもうやめて、全人類の未来のため、地球の資源に余裕のある今こそ、新たなフロンティアとしての宇宙に進出する時ではないだろうか。国際宇宙ステーションでの活躍や、小惑星探査機「はやぶさ」のミッションに成功した日本にも、大いに出番がある。その第一歩が月ではないだろうか。ケネディの夢よ再びである▼人類が共同して宇宙に進出するためには、人間は平等だとの真理の確立と、平和でこそ新たなチャレンジができるとの世界共通の認識が必要だ。国連が第2次世界大戦の戦勝国クラブである安全保障理事会を解体して、真に実行力のある国連となることを願っている(水)