兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2010年10月25日(1637号) ピックアップニュース

燭心

今年の9月初め、フランスのワイナリーを訪れた。各地のワイン教室の講師をしている女性ソムリエ・K先生をリーダーに総勢10人▼元JALフライトアテンダントでブルゴーニュのワイン農家へ嫁した日本女性が、ぶどうを栽培しすばらしいワインを作っている姿に感動。ボルドーのメドック地区では、小規模ながら1988年以来、金・銀賞を獲得して高い評価を受けているシャトーオーナーが日本女性だった。IBMで働いているとき知り合ったイギリス人の夫と脱サラをしてぶどう畑を買い、夢をかなえたのだという▼また、ツアーガイドを務めてくれたのがいずれも日本女性。豊富な知識はワインにとどまらず社会情勢から文芸に至るまで多岐にわたり、てきぱきと仕事をこなしそれでいて控えめという、日本女性の鑑のような人たちだった。異国の地にしっかり生活の根を下ろした、彼女らのしなやかでたくましい生き様に感動した旅だった▼最近とみにギクシャクしている日中問題を筆頭に日本の外交問題を考えるとき、異国で生きる日本女性の生き方に何かヒントがあるような気がする。語学力、交渉力、責任感、相手国の歴史に関する深い理解、主張すべきところは譲らない強さ、しかし他の場面ではしなやかに控えめに。さらに強いカードがあれば完璧。彼女らの場合は良いワインを作っているという誇り。外交は武器を使わない戦争だといわれる。日本は、どんな強いカードを持てるのだろうか(硝子)

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