2010年10月25日(1637号) ピックアップニュース
近畿ブロック歯科集会「保険で良い歯科医療」アピール
保団連近畿ブロックは10月17日に大阪市・御堂ホールで、集会「楽しんで知ろう!いい歯と健康 保険でよい歯科医療を目指して」を開催。歯科医師など医療従事者や市民ら93人が参加。兵庫協会からは「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会代表世話人の吉岡正雄協会副理事長をはじめ19人が参加した。
吉岡正雄・兵庫協会副理事長が基調報告
吉岡正雄副理事長が基調報告。今年2月に出演したラジオ「医療知ろう!」の録音を流しながら、経済格差が「歯の健康格差」を招き、窓口負担が高くて受診できない実態を報告した。
吉岡副理事長は、「保険がきく範囲を広げてほしい」という国民の願いに応えるよう、兵庫連絡会では、(1)患者さんの窓口負担の軽減、(2)保険の範囲を拡大、(3)診療報酬引き上げの要求を三つの柱に据え、自治体請願をはじめ街頭宣伝や市民学習会を展開しているとした。
吉岡副理事長はまた、歯と全身の病気との関係について、歯周病の悪化が糖尿病や心臓病、早産のリスクを高めるとし、抵抗力が落ちれば誤嚥性肺炎も生じやすくなることを解説。健康な歯を残すためには、(1)歯ブラシ・歯間ブラシ・フロスでよく歯の手入れをすること、(2)定期検診と歯のクリーニングを受けることとともに、(3)平等・無差別の歯科医療制度を要求することが大事であり、保険でより良い歯科医療を求める運動の推進を訴えた。
文化企画を担当した「笑工房」代表の小林康二氏の進行で、吉岡副理事長と内科医の高本英司・大阪協会理事長が鼎談。高本先生は、歯でしっかり噛む食生活をすることで血糖値コントロールを行うことが重要だとし、歯周病から動脈硬化に至る症例も紹介し、ターミナルケアも含めて医科歯科連携がますます必要であるとした。
小林氏は、歯の健康の大切さを再認識したが、歯科医師はもっと国民に訴えていくことが必要だとした。
フロアでは、大阪や兵庫の連絡会の活動報告、海外技工と技工士の低待遇の状況、在宅医療からみた口腔ケアの必要性など、活発な発言が交わされた。
集会では笑工房の笑福亭松枝氏が落語「虫歯地蔵」を公演。歯の大切さをテーマに落語を披露した。
集会前に、吉岡先生と赤穂郡の白岩一心先生が街頭宣伝に立ち、道行く人に保団連の歯科アンケートへの協力を訴えた。