兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2010年11月05日(1638号) ピックアップニュース

国民集会 全国から医療者・患者5千人が参加 「医師・看護師増やせ」アピール

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大粒の雨が降る中、カッパを着て
デモに向かう兵庫の参加者

 いのちを脅かす政治はもうゴメン、安心して医療・介護が受けられる社会を――。全国保険医団体連合会などからなる実行委員会による「社会保障費を大幅に増やし、医療介護の拡充を求める10・21国民集会」が、10月21日に東京・日比谷野外音楽堂で開催された。雨天の中、全国から医師・歯科医師、看護師や介護士など医療・介護従事者や患者・市民ら5千人が集まった。兵庫協会から池内春樹理事長をはじめ八木秀満、加藤擁一、吉岡正雄各副理事長、近重民雄理事と事務局ら11人が参加した。
 リレートークでは、全国医師ユニオン代表の植山直人氏が病院勤務医の過酷な労働実態の改善を呼びかけるなど医療関係者が医師・看護師の増員を訴えた。
 タレントの山田邦子さんが、乳がん手術の経験をユーモアを交えながら話し、集会参加者らにエールを送った。
 国会議員からは高橋千鶴子衆院議員(共産)、阿部知子衆院議員(社民)、服部良一衆院議員(同)らがあいさつ。45人の衆参議員や、全国各地の医師会・歯科医師会から賛同・メッセージが寄せられた。
 参加者らは、(1)医療費を先進国(OECD)並みに確保し、社会保障制度の拡充、(2)医師・看護師・介護職員を大幅に増やし、地域医療の確保、(3)患者・利用者負担を軽減し、安全・安心の医療・介護の充実、を求める集会アピールを採択。集会後は銀座の街をパレードし、「安心・安全の医療・介護」の実現を通行人らに訴えた。

同日午前に国会要請

 協会・保団連は同日午前に、診療報酬改善や医業税制の改悪阻止、患者窓口負担軽減、「保険業法再改定法案」の早期成立などを求め国会議員要請を行った。
 山下芳生参院議員(共産)が、総務委員会質問直前の多忙な中で面談に応じた。協会は、ラジオ関西番組「寺谷一紀のまいど!まいど!」内で兵庫協会会員らが出演しているコーナー「医療知ろう!」の宣伝チラシや、景品付き医療クイズチラシ、受診抑制実態調査結果などを紹介した。
 また、保団連と兵庫協会で、歯科医師でもある西村まさみ参院議員(民主)の秘書に指導・監査問題についてレクチャーを行った。
 厚生労働省内の政策コンテストで、医療指導管理官による犯罪捜査のプロを指導監査で活用する提案が一次審査に通った問題について、保団連社保・審査対策部長でもある八木副理事長は、「厚労省が、性悪説の立場で医師・歯科医師を見ていることがはっきりした」と、医師・歯科医師を犯罪者扱いする問題を指摘した。
 審査問題について、加藤副理事長は「ちょっとしたミスでもすぐ不正だと言われ、犯罪者扱いされる。自分も新規指導のときに恫喝された経験がある」「指導を苦に自殺する人もいる。医療費抑制主義のやり方だ」と、現場での問題を指摘した。吉岡正雄副理事長も、多忙な診療の中で個別指導が実施直前に通知され、無理な資料提出を求められる実態を紹介した。

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