2011年1月05日(1643号) ピックアップニュース
九条の会・兵庫県医師の会 映画と講演のつどい 故 加藤周一さん 平和の思い継承
「九条の会・兵庫県医師の会」は12月12日に協会会議室で、「加藤周一さんの思い出と憲法9条」と題して映画上映と安斎育郎・立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長の講演会を開催した。2008年に逝去した評論家で九条の会呼びかけ人の加藤周一氏の活動を振り返りながら、9条を守る運動を広げる機会にしようと企画したもの。医師・歯科医師など医療関係者や市民ら83人が参加した。
加藤氏自身の生い立ちとともに生前の講演活動やインタビューをまとめたドキュメンタリー映画「しかしそれだけではない。加藤周一幽霊と語る」は、東京大学医学生時代の写真など貴重な記録も収録されている。
映画内の東大学生向け講演シーンで加藤氏は、若者と老人には共通点があると指摘。若者と老人が手を結び同盟すれば、社会に大きな影響を与えられるなど、若者が行動することの重要性を氏らしい言い回しで語りかけた。
講演した安斎育郎氏は、「30年来の不肖の弟子」と自己紹介し、加藤周一氏の思い出を語った。
安斎氏は、自身の生い立ちとともに、加藤氏と知り合った経緯を紹介。1988年に立命館大学国際関係学部で同僚になったこと、その中で加藤氏を囲む会「白沙会」を京都で行い、その内容が『居酒屋の加藤周一』として出版されていることなどを振り返った。
安斎氏は加藤氏の平和への思いを引き継ぐ課題として、「もし安斎育郎が総理大臣になったらこうする10項目の安全保障政策」を披露。最後に、「憲法を守る」から「憲法で守る」への積極展開をしようと参加者に呼びかけた。
フロアからは、神戸朝日病院院長の金守良先生が、加藤氏との親交や思い出を紹介した。
つどいでは、開会あいさつを合田泰幸・兵庫民医連会長が、閉会あいさつを三宅麻由・九条の会兵庫県医師の会世話人、司会を同じく世話人の八木秀満・協会副理事長が行った。