兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2011年4月15日(1652号) ピックアップニュース

燭心

 3月11日、東北地方を中心にM9.0の大地震が襲った。この地震のため、三陸地方で大津波が発生し、約2万7千人もの死者・行方不明者が出た▼津波の映像をテレビで見たが、まさに大自然の怒りを感じさせた。津波が次々と建物を飲み込む様子は恐怖であった。津波の引いた後は瓦礫の山。建物がほとんどすべて消失した町や、陸に打ち上げられた船も見られた▼かろうじて命拾いした人々は、避難所暮らしを余儀なくされたが、電気・水道などは完全に停止しており、道路寸断のおかげで食料さえ不足していた。燃料不足のため、暖房もほとんどなく、着の身着のままの人々は寒さに震えた。医療施設が壊滅して、まったく機能しない地域も多かった。それでも医療機械がほぼ使えない状況で、多くの医療従事者が奮闘した▼千年に一度の大津波。防潮堤などでこれを防止するのは不可能だと思えた。しかし、災害などの非常事態に備える工夫は、ライフラインや食料備蓄などの面で、もう少し工夫できなかったかと思う▼福島第一原子力発電所が大きな損害を受け、放射能汚染が問題になった。原発の危険性は以前から指摘されており、今回の被害を津波による天災と片付けたくない。対策不十分による人災と言われても仕方がない。福島原発の被害のせいで、供給電力が不足し、関東地方などで計画停電となり、日常生活へ大きな影響が出た。電力供給でも、過度の原発依存は重大な問題である。(海)

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