2011年6月15日(1657号) ピックアップニュース
保団連近畿ブロック公害視察会 [感想文]興味が尽きない"森林と災害"の話
保団連近畿ブロックは5月29日、県立「人と自然の博物館」(三田市)を会場に公害視察会を開催。「森林整備と災害防止」をテーマにした講演会と、同館内にある「ひとはくの森」見学会を行い、近畿各県から14人が参加した。参加した尼崎中央病院理事長の吉田静雄先生の感想文を紹介する。
私も福井県の山間の村落に先祖からの山林があり、手入れをしてもらっているので、以前から山林に関しては興味を持っていました。
今回、災害に強いまちづくりのお話を、県「災害に強い森づくり」事業検証委員長で兵庫県立大学教授の服部保氏からお聞きしました。
今まで山林の手入れとは、林道、間伐、枝打ち程度の知識しかなかったのが、間伐がなぜそれほど必要か、それがなぜ放置されているかなど、新たに多くの知識を得ることができました。
兵庫県は森林整備のために全ての個人から800円の税金を徴収しているということ、その結果がどうなっているかなど、一般の人にはあまり知られていないのではないでしょうか。私も初めて知りました。もっとPRしていただいてもよいのではないかと思いました。
照葉樹(常緑樹)山林と夏緑山林(広葉・落葉樹)の違い、手入れをされた里山と放置された里山がどのように違うか、日光が入り下草や雑木等が生えることにより土壌ができ、災害に強い森ができる、しかし常緑樹のみの森は暗く日光が入らず、下草が生えない、結果として災害に弱く土砂くずれが起こりやすくなる-といったようなことを学ぶことができ、非常に有益でした。
また、どうすれば人と動物との共生ができるかを考えるきっかけにもなりました。里山は人の手入れにより成り立ってきたので、いつまでも人の手を煩わす必要があります。これが、もとからある自然林との違いであるということも改めて考える機会にもなりました。
白炭(備長炭)と黒炭(一庫炭)の違い、使用方法などの話も興味深く聞かしていただきました。ありがとうございました。
【尼崎市 吉田 静雄】