2011年6月15日(1657号) ピックアップニュース
但馬支部「他科を知る会」シリーズを開始 科を横断した連携深める 但馬支部副支部長 谷垣正人
整形外科疾患をシリーズで学ぶ
但馬支部では、20年以上続けてきた胸部X-P読影会に代わって、他科を知る会「専門医に聞く-開業医でここまで診てほしい-」(整形外科シリーズ)の第1回を、5月26日に公立日高医療センターで開催しました。
但馬では、整形外科疾患が非常に多いにもかかわらず、専門医が足りず、開業医が多くの整形外科疾患の患者さんを診ています。
そこで、日高医療センター整形外科の芦田一彌先生から、開業医が整形外科疾患を診察する際のアドバイスをシリーズで受けようという企画です。
当日は、平日の午後7時という遅い時刻の開催にもかかわらず、11人という多くの開業医の出席がありました。
芦田先生からは、脊椎疾患について、X-P、CTなどのフィルムをスライドで示しながら説明がありました。芦田先生が強調されたのは、「常に患者さんの訴えと診察・画像所見が一致するか確認するように」ということで、脊椎X-Pの撮り方、脊椎の圧迫骨折、後縦靱帯骨化症、強直性脊椎炎、化膿性脊椎炎、多発性骨髄腫、Pancoast腫瘍、前立腺がんの骨転移、偽痛風などについて症例提示があり、診断の遅れた症例についても率直に話され、とても勉強になりました。
最後に、脊椎のX-Pの撮り方、最近増えている偽痛風の診断方法などについて活発な質問があり、約2時間の会を終えました。
医師の勉強会は、とかくそれぞれの専門領域だけで集まりがちですが、今回の会はその枠を取り払い、科を横断した医師同士の連携を深めるいい機会となり、かつ総合診療重視の流れにも沿うもので、大きな意義があると感じました。
次回は11月頃、関節疾患をテーマに開催予定です。