2011年7月05日(1659号) ピックアップニュース
第43回総会 被災者中心の復興を
新役員を承認した(下)
被災者の生活支援最優先、社会保障を基盤とした街づくり、人間中心の復興を--。協会は6月19日にチサンホテル神戸で第43回総会を開催し、「震災復興」を口実にしたさらなる患者・国民負担の押しつけや社会保障改悪に反対し、東日本大震災復興に全力を尽くすことを確認。評議員会で選出した池内春樹理事長をはじめとする次期役員を承認した。(次号に詳報予定)
池内理事長はあいさつで、「東日本大震災の復興のためと称する消費税増税、社会保障の切り捨て、患者窓口負担の定額上乗せ、そして国の責任を放棄して国民に“助け合い”を押しつける政策が行われようとしている。これに断固反対し、日本再生のためには、被災者の生活再建と社会保障の拡充が欠かせないことを、阪神・淡路大震災を経験したわれわれ兵庫県民が一番に訴えていこう」と呼びかけた。
討論では、「憲法に基づく運動の推進と強化を」(赤穂郡・歯科、白岩一心理事)「原発に頼らないエネルギー政策への転換を」(東灘区、口分田勝理事)「第20回日常診療経験交流会への参加を」(たつの市、清水映二理事)「社会保障番号制度阻止を」(北区、細川巌評議員)など7人が発言した。
総会は「原発以外のエネルギーを拡充し、原発に頼らないエネルギー政策に転換すること」「窓口負担を大幅に軽減し、診療報酬の引き上げなど総医療費を拡大すること」「消費税増税をやめ、国と大企業の責任で医療の財源をつくること」などを求める決議を採択した(兵庫保険医新聞1659号5面に決議全文を掲載)。
住江憲勇全国保険医団体連合会会長と藤末衛全日本民主医療機関連合会会長、加口良秋兵庫県商工団体連合会副会長が来賓あいさつした。
各氏は、「兵庫協会は全国の先頭に立って東日本大震災の被災地に赴き、保団連の後押しをしてもらった」(住江氏)、「大震災では、16年前の経験を生かして兵庫協会も大きな役割を果たされた。現地支援はもちろん、民医連が政府への要請を作るときに力を借りた」(藤末氏)、「負担能力がなければ社会保障を受けられないという日本の現実を共に変えていこう」(加口氏)などと述べた。
総会には、全国の協会・協同組合や医師会・医療関係団体、政党・議員などから合計78通の祝電・メッセージが寄せられた。また懇親会では、末瀬裕一兵庫県歯科医師専務理事をはじめ、浜本宏衆院議員、田中康夫衆院議員、辻泰弘参院議員、ねりき恵子県会議員、きだ結県会議員や関係諸団体などが祝辞を述べ、共同を呼びかけた。
記念講演は、「iPS細胞・神経幹細胞で神経系を再生する」をテーマに、慶応義塾大学医学部生理学教室、咸臨丸プロジェクト特任講師の岡田洋平氏が講演した。
岡田氏は、iPS細胞・神経幹細胞について基礎から現在の研究課題まで、安全性や異常な細胞の出現、分化異常などの問題点などを説明しながら話し、参加者から「わかりやすい内容で大変良かった」と好評を得た。