兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2011年7月15日(1660号) ピックアップニュース

燭心

 愛鳥週間はとっくに終ったけれど、わが家のベランダにスズメが巣作りを始めた。朝早くから、チュンチュン、チュンチュンと元気だ。雛がいるのだろう、親鳥が帰ってくると、ひときわ鳴き声がにぎやかになる。餌をねだっている様子が手に取るようにわかる。壁一枚隔てて、ひそかに楽しませてもらっている▼もっとも、私がベランダに出ると、向いの電線に移ってさかんに威嚇する。羽を膨らませて、鋭い声で鳴く。「あっちへ行け」と言ってるのだろう。ちっとも怖くはないが、必死の姿に負けてしまう。ひとまずは退散▼同じく早朝、遠くでホトトギスの声も聞こえる。甲高く、トッキョキョカキョク。この鳥は託卵という不思議な習性を持っている。自分で子育てせず、ウグイスなどの巣にちゃっかりと卵を産みつける。厚かましいと思うのは人間の勝手な価値観だろう、これも自然の仕組みだ。それでもスズメの親子を見ていると、ちょっと切なそうな鳴き声に聞こえてくる▼被災地の人々にも、鳥の声を楽しむ余裕は戻ってきただろうか?それにつけても聞くに堪えないのが、怪鳥・ナガタチョウ。「フシンニン」と鳴いていたかと思うと、次は「ダイレンリツ」、最近では「ゾウゼイ、ゾウゼイ」の大合唱だ。ショウヒゼイなるものを託卵して、数年後には孵化させたいらしい。こんなものの里親にされては、国民はたまったものではない。卵のうちにお引き取り願いましょう。ゴヨウジン、ゴヨウジン(星)

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