2011年10月05日(1667号) ピックアップニュース
東日本大震災被災地支援 〝医療機関再建に充分な国庫補助を〟 ドクターズ・デモンストレーション・シンポに参加
シンポジウムで発言する川西副理事長(右)
協会は9月23日から25日にかけて、東日本大震災救援対策として、歯科医療支援を実施。川西敏雄副理事長、小寺修評議員、津田賢治評議員が、宮城県を訪問した。
23日は、仙台市内で開かれたシンポジウム「震災復興と医療再生」(主催・ドクターズ・デモンストレーション2011実行委員会)に参加。北村龍男宮城県保険医協会理事長、桜井芳明宮城県医師会副会長、細谷仁憲宮城県歯科医師会会長ら医療関係者のシンポジストが被災医療機関再建の支援を強く求めた。
川西副理事長がフロア発言し、「国はすべての民間医療機関の再建に責任を持ち、十分な国庫補助を行うべきだ。兵庫協会は阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて厚生労働省に繰り返し要請し、特に8月の厚労省局長との懇談でも医療施設補助金の支給不備を強く指摘した。被災地・被災者から、ぜひ声をあげていってほしい」と訴えた。
24・25日は、東松島市、石巻市、女川町内の仮設住宅、避難所を訪問。被災者一人ひとりに声をかけ、健康状態を聞き、要望に応じて口腔ケアを行った。
また、「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会の「被災者に歯ブラシを届けよう」募金から、歯ブラシなどの口腔内ケア用品を被災者に届けるとともに、宮城災対連東日本大震災共同支援センターに募金を託した。
被災者からは「経済的に不安」「避難所に入って高血圧になった」などの切実な声が寄せられた。
石巻市内では45カ所の避難所に1234人(9月21日現在)が残されているが、市は10月10日で閉鎖する方針を示している。避難者からは「避難所を早く出たいが仮設住宅は抽選に当たらず、入居できない」との差し迫った声が出されていた。
被災者の生活再建のために、国が遅まきながら本気になって公的支援を行うことが求められている。