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兵庫保険医新聞

2011年10月05日(1667号) ピックアップニュース

日米同盟は万能ではない 市民公開講座 185人が参加「どうする米軍基地問題」

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伊波前宜野湾市長と
柳澤元官房副長官補が語った

 協会は9月23日に県農業会館で、市民公開講座「どうする?米軍基地問題~日米安保の是非を超えて」を開催。医師や歯科医師、市民など185人が参加した。県民主医療機関連合会との共催。伊波洋一・前宜野湾市長と柳澤協二・元官房副長官補(安全保障・危機管理担当)を招き、コーディネーターを石川康宏・神戸女学院大学教授が務めた。

辺野古への基地移設は困難

 伊波氏は、米国内では、環境保護法制などによって住居の周辺に基地を建設できないため、戦闘機の離着陸などの騒音問題は起きないと説明。日本人がいかに無権利状態に置かれているかを厳しく指摘した。
 また、米軍の基地運用に対して日本政府はまったくものが言えず、安全保障問題では日本は米国の傀儡政権だと批判した。
 伊波氏は、普天間基地の辺野古移設問題について、現地住民らの長期にわたる抗議行動や基地建設による環境への影響の甚大さなどから、実現は困難だとみなされていると述べた。

イラク戦争検証を

 柳澤氏は、「一貫して日米同盟の強化に携わってきた」と自己紹介した上で、「ムダな戦争を二度としてはいけない」「日米同盟が国民の安全のためになったのか。イラク戦争も全く検証されていない」として、沖縄に駐留する米海兵隊の「抑止力」問題などについて語った。
 普天間基地の移設問題について、どこに移設するかの議論の前に「なぜ、ここに米軍基地がいるのか」の議論が必要だと指摘。「米国が海兵隊を使用するということは、全面戦争になるということ。現代は経済的にも政治的にも、国同士が依存しあっている。米ソ冷戦時代とは違う」「中国に対して米国は海兵隊を使用できないので、抑止力にはならない」と述べた。
 柳澤氏は、中東で起こった一連の「ジャスミン革命」について、イラク戦争のように米国が武力を用いなくても、当該国内で正当な方法で政府を打倒できる可能性が現代にはあると述べた。

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