2011年12月05日(1673号) ピックアップニュース
燭心
先日、保団連の用事で東京都内に1泊した。ホテルには大勢の中国人客が宿泊していた。翌朝、エレベーターの中で、ホテルの大きな台車にパンパンに膨らんだ軽量スーツケースを4~5個も積んだ男性と一緒になった。「これ、全部買い物。友達や親類に頼まれているからね」と流ちょうな日本語で言う。玄関では同じように、たくさんの荷物のそばで貸し切りバスを待つ団体客がいた▼ユーロ圏の国々の財政悪化を尻目に、中国の若い富裕層の購買力のすさまじさから、中国国内の好景気を確認できた。大阪や神戸でも、規模は小さくても同じような光景が見られるのだろうか▼東京へ出かけるたびに感じるのだが、エネルギーの放出量が大阪とは比較できないくらい大きい。地下鉄に乗ってあちこち動いてみるとよくわかる。東京・丸の内界隈のエネルギーが次の街の近くで減衰しかけると、また別の種類のエネルギーが膨らんでいる。新宿でも渋谷でも、銀座でも上野でも、エネルギーが減っていかないのだ▼大阪ではこうはいかない。JR大阪駅を離れると、エネルギーは急速に減衰する。先日、大阪のダブル選挙で橋下市政が誕生した。彼の大阪都構想というのは、まさにこのエネルギーの噴出を効率よく推し進めるための切り札となるのだろうか▼ヨーロッパの成熟した街のたたずまいもほしい。若者たちの熱気にあふれた働く姿も見たい。女性が安心して仕事と育児を両立できる社会の仕組みもほしい(硝子)