2012年2月05日(1677号) ピックアップニュース
リゾチーム塩酸塩製剤 歯科では使用不可に メーカーが返品・回収を受付
厚労省は1月20日付医薬食品局課長通知で、リゾチーム塩酸塩製剤の歯科適用がなくなり、使用できなくなったと発表した。
対象は、レフトーゼ錠、ノイチーム錠、アクディーム錠、塩化リゾチーム錠、ミタチーム錠など、すべてのリゾチーム塩酸塩製剤。
各メーカーは、開封品も含めての返品・回収を、卸を通じて受け付けるもよう。ご確認願いたい。
厚労省の薬事・食品衛生審議会医薬品再評価部会でダーゼンの同種同効能薬として、リゾチーム塩酸塩製剤が指摘され、昨年12月21日・22日に各メーカーが再評価のための臨床試験実施は困難と判断、歯科の適用削除の一部変更申請を提出し、1月20日承認された。
削除された効能・効果は、歯槽膿漏症(炎症型)の腫脹の緩解、小手術時の術中術後出血(歯科・泌尿器科領域)。この結果、歯科適用の酵素製剤の代替医薬品はなくなった。
なお、慢性副鼻腔炎、気管支炎、気管支喘息、気管支拡張症の効能・効果は再評価され、引き続き適用されている。
短い周知期間 柔軟な審査を
協会では、FAXで歯科会員に知らせたところ、「メーカーや卸からなんの連絡もなかったので初めて知った」「耳鼻科や内科は使えて歯科の消炎酵素剤は削除する根拠が不明で、メーカーの対応に納得いかない」「炎症によく効くので長年使ってきた。知らなかったのに急に処方内容を変えることは患者さんにとっても不利益。周知期間は2カ月くらいは必要と思う」等の声が寄せられている。厚労省医薬食品局課長通知では、各製造販売業者に対し、1カ月以内に医療機関・薬局に対し周知を徹底するよう指示したとしているが、メーカーの対応は遅く、すぐに周知徹底することは不可能である。
協会・保団連は1月27日、厚労省・支払基金本部・国保中央会に対し、周知期間を踏まえた柔軟な審査をするよう申し入れている。