2012年3月05日(1680号) ピックアップニュース
燭心
12月15日付本欄原稿が全国保険医新聞に掲載され、全国の会員から少なからず反響があった。筆者の手許にも複数の感想文が届いた。財務官僚をパロディー化した歌が面白かったと思われるが、実はこの稿には続編があった。医者と官僚の共通性について縷説(るせつ)する▼医者は国家試験、官僚は国Ⅰ合格者で、自分を偉いと勝手に思っている。問題はその結果生じる無謬性(むびゅうせい)である。誤りを素直に認めたがらない。隠蔽体質があり都合の悪いことは公表しない▼官僚は国民生活を規制し、医者は患者の生活習慣(例えば、食事、飲酒、喫煙、仕事等)に制限を与える。官僚は入省年度が重要で、医者も大学医局入局年次が重要である。業者からの接待多く、公務員として薄給で天下らなければ割に合わない(給与の後払いと思っている)。官僚は権限拡大のため一所懸命、天下り先の獲得に熱心で、大学の医局も関連病院の確保に力を入れる▼事務次官をTOPとするピラミッド構造は、大学医学部教授を頂点とするかつての医局講座制と似ている。近年医局講座制は少し改革が行われているが、官僚制は大蔵省から財務省へ看板が変わっただけで実質的には変化が少ない。官僚が国権を簒奪(さんだつ)し法律を作り、役人のみが施行している▼本当の民主主義は、政府(供給者)中心の発想でなく国民(消費者)中心の倫理の改革ということが全ての尺度となる。医療の場合も提供者でなく、消費者(患者)中心とするのがあるべき姿である(鼻)