2012年3月25日(1682号) ピックアップニュース
歯科 審査、指導についてのアンケート結果
協会歯科部会は、審査、指導の現状を明らかにし、会員の声を集め、改善に向けた取り組みを強化する目的で、歯科会員1,812人を対象に「歯科・審査、指導についてのアンケート」を実施、139人から郵送での回答を得た。回答率は7.7%。実施期間は2011年12月2日~12月28日。
〈回答会員の内訳〉
(1)開業歴
開業歴では、10年以上が69.1%と最も多く、3年以上10年未満が22.3%、6カ月以上3年未満が6.5%、6カ月未満が0.7%だった。
(2)年齢
40歳代が34.5%と最も多く、50歳代が28.8%、60歳代が20.9%、30歳代が15.1%、70歳以上が0.7%であった。
(3)レセプト提出方法
レセコン使用の紙出力が58.6%と最も多く、フロッピーやCD-R等の電子媒体が28.6%、手書きが5.0%、オンラインが4.3%であった。レセプト提出方法は32.9%がオンラインもしくはデジタル媒体ということで、厚労省が発表した今年1月の普及率36.0%に近い。また、年齢層的にも30歳代から60歳以上まで幅広い分布で、ほぼ現状を把握できるデータと考えられる。
(4)カルテの使用
カルテコンピュータ使用が77.0%、手書きカルテ使用が23.0%であった。
査定が納得できるかについて、「納得できない場合が多い」が社保41.0%、国保28.1%である。返戻でも、社保33.8%、国保47.5%が「納得できない場合が多い」と回答している。
しかし、「再審査請求をしたことがある」との回答の中で、再審査請求の結果は「一部復活」と「全て復活」をあわせると社保64.3%、国保61.5%となっており、再審査請求すれば復活する可能性が高いことを示している(図2)。
再審査請求をしない理由としては「面倒だから」「目をつけられるような気がする」が多数寄せられている。実際には目をつけられることもないので、納得できない減点には面倒がらずに再審査請求していただきたい。
また、審査についての改善要望は、「減点理由は記号でなく具体的に明記してほしい」「審査基準(内規)を公表してほしい」等に多くの回答が寄せられた(図3)。
集団的個別指導について対象者の選定基準や実施方法を、「よく理解している」「だいだい理解している」が54.7%となっている。
しかし、無断で欠席すると個別指導の対象となることを「知らなかった」は52.5%(図5)、翌年も上位4%の高点数の場合、個別指導の対象になることが今後実施される可能性が示唆されていることについて、「知らなかった」が64.0%にのぼっている。
集団的個別指導を受けたことが「ある」は、43.9%である。一見、指導経験者が偏って多い集団のようにも見えるが、8%×3年つまり24%を基本として計算し、その何割かが委縮診療などで交代し、新たな対象者が加わっている(平均点は年々下がっている)ため、高い数値となっている。
集団的個別指導を受けた感想では「高点数がいけないような感じがして納得いかない」「単に点数を上げるなというだけで筋が通っていない」「点数を気にしながら診療している」などが寄せられている。
個別指導当日の厚生局の対応について、「概ね丁寧」と「威圧的」「官僚的」は同数だが、個別指導の内容について「納得できない点もあった」「全く納得できなかった」が87.5%(7人)となっている。
このことに対して協会では、録音や弁護士帯同を勧めているが、それを権利だと知っていることについて「知っていた」は27.3%に過ぎない。一方で、録音や弁護士帯同を「したい」は58.3%にも及ぶ(図6)。今後の協会運動の参考にしたい。
審査・指導問題は保険医協会の根源的な活動であり、引き続き、審査支払機関に対する改善要望や協会活動を強化したい。
〈回答会員の内訳〉
(1)開業歴
開業歴では、10年以上が69.1%と最も多く、3年以上10年未満が22.3%、6カ月以上3年未満が6.5%、6カ月未満が0.7%だった。
(2)年齢
40歳代が34.5%と最も多く、50歳代が28.8%、60歳代が20.9%、30歳代が15.1%、70歳以上が0.7%であった。
(3)レセプト提出方法
レセコン使用の紙出力が58.6%と最も多く、フロッピーやCD-R等の電子媒体が28.6%、手書きが5.0%、オンラインが4.3%であった。レセプト提出方法は32.9%がオンラインもしくはデジタル媒体ということで、厚労省が発表した今年1月の普及率36.0%に近い。また、年齢層的にも30歳代から60歳以上まで幅広い分布で、ほぼ現状を把握できるデータと考えられる。
(4)カルテの使用
カルテコンピュータ使用が77.0%、手書きカルテ使用が23.0%であった。
1、9割近くの会員が査定(減点)を経験
過去1年間に査定(減点)を受けたことが「ある」と回答したのは、社保89.9%、国保84.2%で、「ない」は社保9.4%、国保15.8%に過ぎず、特に社保でほとんどの会員医療機関が査定を経験している。(図1)査定が納得できるかについて、「納得できない場合が多い」が社保41.0%、国保28.1%である。返戻でも、社保33.8%、国保47.5%が「納得できない場合が多い」と回答している。
2、再審査請求で6割を超える会員が「復活」
再審査請求をしたことが「ある」と回答したのは、社保32.4%、国保20.1%にとどまっている。しかし、「再審査請求をしたことがある」との回答の中で、再審査請求の結果は「一部復活」と「全て復活」をあわせると社保64.3%、国保61.5%となっており、再審査請求すれば復活する可能性が高いことを示している(図2)。
再審査請求をしない理由としては「面倒だから」「目をつけられるような気がする」が多数寄せられている。実際には目をつけられることもないので、納得できない減点には面倒がらずに再審査請求していただきたい。
また、審査についての改善要望は、「減点理由は記号でなく具体的に明記してほしい」「審査基準(内規)を公表してほしい」等に多くの回答が寄せられた(図3)。
3、6割が高点数を選定理由とする集団的個別指導に反対
集団的個別指導が高点数であることを選定理由とすることについて、「賛成」は5.8%、「反対」は58.3%となっており、6割近い会員が反対している(図4)。集団的個別指導について対象者の選定基準や実施方法を、「よく理解している」「だいだい理解している」が54.7%となっている。
しかし、無断で欠席すると個別指導の対象となることを「知らなかった」は52.5%(図5)、翌年も上位4%の高点数の場合、個別指導の対象になることが今後実施される可能性が示唆されていることについて、「知らなかった」が64.0%にのぼっている。
集団的個別指導を受けたことが「ある」は、43.9%である。一見、指導経験者が偏って多い集団のようにも見えるが、8%×3年つまり24%を基本として計算し、その何割かが委縮診療などで交代し、新たな対象者が加わっている(平均点は年々下がっている)ため、高い数値となっている。
集団的個別指導を受けた感想では「高点数がいけないような感じがして納得いかない」「単に点数を上げるなというだけで筋が通っていない」「点数を気にしながら診療している」などが寄せられている。
4、9割近くが個別指導の内容に納得していない
個別指導を最近5年以内に受けたことが、「ある」は5.8%(8人)である。「ある」のうち、87.5%(7人)の会員が保険医協会に相談しているが、誰にも相談しなかった先生が1人おられた。個別指導当日の厚生局の対応について、「概ね丁寧」と「威圧的」「官僚的」は同数だが、個別指導の内容について「納得できない点もあった」「全く納得できなかった」が87.5%(7人)となっている。
このことに対して協会では、録音や弁護士帯同を勧めているが、それを権利だと知っていることについて「知っていた」は27.3%に過ぎない。一方で、録音や弁護士帯同を「したい」は58.3%にも及ぶ(図6)。今後の協会運動の参考にしたい。
5、自由意見欄に多数の改善求める声
そのほか、行政指導のあり方等についての自由意見欄には、「指導大綱の通り丁寧な指導をしてほしい」「制約ばかり厳しくて少ない患者でギリギリのところでやっているのに、さらに委縮させて正当な請求にも遠慮するようなやり方は間違っている」など多くの内容が寄せられた。審査・指導問題は保険医協会の根源的な活動であり、引き続き、審査支払機関に対する改善要望や協会活動を強化したい。