兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2012年4月25日(1685号) ピックアップニュース

大飯原発の再稼働に断固反対する ―中身のない「新安全基準」は容認できない― ―独立した規制機関を確立せよ― 兵庫県保険医協会理事長 池内春樹

 協会は4月12日、大飯原発再稼働に関する下記の緊急抗議声明を、首相、経産相、厚労相、兵庫県、神戸市、県選出国会議員およびマスコミ各社に送付した。

 野田内閣は、関西電力大飯原発3・4号機の再稼働に向けて「安全宣言」を行い、福井県など地元自治体に同意を要請するとしている。
 しかし、政府が作成した新基準は、政府が原子力安全・保安院に3日で作成させたもので、非常電源車や消防車の配備など従前と変わらない「緊急安全対策」を並べたものにすぎない。しかも防潮堤の建設など中長期的な対策は「計画」だけで、重大事故が起きた場合の対策は、無いに等しい。福島第一原発事故原因の究明・検証が進んでいないにもかかわらず、こうした中身のない「安全宣言」をふりかざして再稼働を容認することは、新たな「安全神話」で、国民を欺くものである。
 そもそも、原子力安全・保安院、安全委員会は、規制機関を標榜しながら、政府のもとで原発推進の立場を電力会社と共有してきた組織であり、すでに3月末で廃止されているはずのものである。原発問題を解決するには、推進側から独立した民主的な規制機関が不可欠であり、野田内閣は、その確立こそ急ぐべきである。
 大飯原発で万が一原発事故が起こった場合、近畿の水がめ・琵琶湖が汚染されるなど、兵庫県へも深刻な影響が及ぶことは明らかである。関西広域連合をはじめ、周辺自治体からも再稼働を懸念する声が上がっている。
 やるべきことをやらないまま、新たな「安全神話」を押し付ける大飯原発の再稼働は断じて認められない。
 われわれは、いのちと健康をまもる医療者として、関西電力大飯原発3・4号機の再稼働に反対し、原発に頼らないエネルギー政策に転換することを強く求める。

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