兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2012年7月25日(1693号) ピックアップニュース

主張 原子力基本法 軍事利用に道開く改悪に断固反対

 6月20日に成立した原子力規制委員会設置法の付則で、「原子力の憲法」といわれる原子力基本法の基本方針が、34年ぶりに変更された。
 基本法の変更は、末尾にある付則の12条に盛り込まれた。原子力の研究や利用を「平和の目的に限り、安全確保を旨として、民主的な運用の下に」とした基本法第2条に第1項を追加し、「安全確保」は「国民の生命、健康および財産の保護、環境の保全ならびに我が国の安全保障に資することを目的として」行うとした。
 「安全保障に資する」は閣議決定された政府の法案にはなかったが、修正協議で自民党が入れるように主張し、これを民主党が受け入れた。
 これを受けて、韓国の6月22日の主要新聞は「日本、ついに核武装への道を開く」との見出しでいっせいに報道。日本に対する不信感をつのらせた。
 原発が安全保障に資するということは、第1に安全保障を理由にこれからも原発を推進するということ、第2に核兵器への転用を示唆することを意味している。福島原発事故により、多数の住民が避難生活を強いられているなかで、このような法律の改正が行われていることは、断じて許されない。
 また、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「平和目的」と限定している規定を防衛利用も可能と改悪した改正機構法も、同日の参議院本会議で、賛成多数で可決、成立した。
 私たちは、平和を希求する医療人として、これらの改悪に断固反対しよう。
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