2012年8月05日(1694号) ピックアップニュース
燭心
米海兵隊の最新鋭垂直離着陸輸送機オスプレイの岩国基地への陸揚げが7月23日開始された。最終的に沖縄の普天間基地に配備される▼途方もない欠陥機で、05年の実戦配備以来58件の事故を起こし43人の死傷者を出している。この危険性は開発に関わった米軍関係者も指摘している。機体の左右に回転翼があり向きを頻繁に変えるなど、垂直離着陸機ゆえの構造的欠陥であり、特に低空飛行時に危険性が高いという。低空飛行訓練は沖縄県民だけでなく、日本全国で住民を危険にさらす。旅客機にはとても使えない事故率だが、軍用機は兵器であり安全に輸送することは問題にしていないのだろう▼このような日本国民の安全や命を脅かす欠陥機に、野田政権は何の批判も抗議もせず、米軍の実戦配置を認めた。米軍関係者が危険を指摘している機体について、直接開発に関わったことのない日本政府が安全を保証しても何にもならない▼オスプレイ配備は日米安保条約による米軍の権利であるという。安保条約は日本を外敵から守るためのものと賛成論者は言うが、米国を守るためのものでそのために日本は危険にさらされるのではないか。オスプレイが安全な優秀機だとしても、その性能を活かして日本を守ってくれるとは思えない▼安保条約による軍事的挑発よりも、ロシアや中国などの外国と平和について話し合いをするほうが良いと思う。米軍に対する従属にすぎない日米安保条約は廃止すべきである(海)