兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2012年8月25日(1695号) ピックアップニュース

主張 危険なオスプレイ配備に反対

 米軍の最新垂直離着陸機オスプレイの岩国基地への陸揚げが7月23日に開始され、沖縄の普天間基地への配置準備が整いつつある。
 海兵隊用が140機、空軍用が20機作られ、05年から実戦配置されているが、とんでもない欠陥機で06年10月から11年9月までの5年間に58件もの事故を起こしている。これは、ほぼ毎月1回事故を起こしていることになる。
 死者が出るか200万ドル以上の損害を出した、米軍の言うところのA級事故だけでも4件起こっている。死傷者の合計は43人にもなる。本年に入ってからも2件の事故を起こしている。
 10年8月に提出された事故調査委員会(委員長=ドナルド・ハーベル准将)の報告は、着陸時のロータの回転数が通常の2割減と「異常に低かった」と推定した。事故3日前のエンジン出力が右99.5%、左95%と低下していたという。ハーベル委員長はエンジンの出力低下があったと判断した。
 しかし事故機は墜落後、ブラックボックスも含め爆破され、事故原因を確定する証拠は残されなかった。しかも空軍特殊作戦司令部は、事故調査委員会の報告書の書き換えを命令。エンジン故障は事故と無関係で、人為ミスが原因とする公式見解を発表した。
 しかし開発に関わった米軍関係者によると、機体の左右に回転翼があり、向きを頻繁に変えるなど、垂直離着陸機ゆえの構造的欠陥があり、特に低空飛行時に危険性が高いという。低空飛行訓練は、本州、四国、九州の七つのルートで行われる。沖縄県民だけでなく日本全国で住民を危険にさらすものだ。
 このような日本国民の安全や命を脅かす欠陥機を、野田政権は何の批判や抗議もせず、米軍の実戦配置を認めた。試乗した森本防衛相は「乗り心地が良い」などとほめた。米軍関係者が危険を指摘している機体について、直接開発に関わったことのない日本政府が安全を保証しても何にもならない。
 オスプレイ配備は、日米安全保障条約による米軍の権利だという。安保条約は日本を外敵から守ると賛成論者は言うが、その実、米国を守るためのもので、日本は危険にさらされるのではないか。
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