兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2012年10月15日(1700号) ピックアップニュース

燭心

 野田政権は生活保護制度を改悪し保護基準引き下げを狙っている。民自公の三党が8月強行成立させた社会保障制度改革推進法は、生活保護の給付の適正化を掲げた。これは生活保護基準を最大10%引き下げようとするものである。生保受給者数は本年6月211万5千人を超え、過去最多とされている▼しかし所得が生保基準を下回る世帯のうちで生活保護を受けている世帯は2007年で15%程度であり、受給者は全人口の2%未満である。英国では4世帯に1世帯、人口の19%が生活保護を受け、捕捉率は87%である。フランスでは捕捉率が90%に上り、人口の約1割が受給している▼日本では受けるべき人が受けておらず、受給者数は多いとはいえない。生保受給者の増加が国の財政を圧迫しているとされるが、来年度の生活保護関連予算3兆円は国の歳出の3%である。生活保護の10%削減を求める自民党は、防災を口実に大型公共事業に10年で200兆円投入を主張している▼不正受給者がいるから生保受給者が増えたとの意見がある。しかし不正受給者は約0.3%と少数である。しかも大部分は不正受給を狙ってのものではなく、手続きの誤りだという。マスコミの一部は生保受給者を厄介者として差別しているようだ。すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活をする権利がある(憲法25条)。生活保護法はこの規定に根ざしており、最低生活水準は国の財政で最優先で守るべきものである(海)
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