2012年12月15日(1706号) ピックアップニュース
広げよう"命を守る歯科" 「保険でより良い歯科」連絡会がラジオ公開収録 貧困が「口腔崩壊」招く
アナウンサーの寺谷一紀氏を囲み、座談会を開催
「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会は11月25日、市民講座「寺谷一紀と医と食を知ろう!〝命を守る歯科〟からのアプローチ」を協会会議室で開催。市民、医療関係者ら41人が参加。アナウンサーの寺谷一紀氏と協会役員らが対談しながら、窓口負担の高さや歯科医療費の低さなど歯科医療の抱える問題をわかりやすく示し、保険でより良い歯科の大切さを訴えた。
講座に先立って、元町・大丸前で街頭宣伝を行い、加藤擁一・川西敏雄両副理事長、白岩一心理事、谷端美香先生がマイクを握り、保険でより良い歯科医療署名への協力を訴え、講座とあわせて74筆の署名が集まった。
講座は協会がスポンサーとなっているラジオ関西「寺谷一紀と!い・しょく・じゅう」内のコーナー「医療知ろう!」の公開収録として行われた。加藤擁一先生が司会を務め、同番組のメインパーソナリティーの寺谷一紀氏が、協会歯科部会の谷端美香先生、大阪府歯科保険医協会政策部長の戸井逸美先生、加古川市・はとのさと保育園看護師の三木晴代氏と対談、座談会を行った。
街頭で「保険でより良い歯科」実現を訴える(右から)川西・白岩・谷端・加藤各先生
対談で谷端先生は、協会企画編集、保団連発行のパンフレット『命を守る歯科へ 健康長寿社会を目指して』を紹介。健康のために歯が重要であることが認識され始めているが、患者負担が大きいことや保険適用の範囲が狭いことなど、あまり知られていない多くの問題をまとめているとアピールした。
戸井先生は、大阪歯科協会が独自に行った大阪府の小学校調査結果を報告。親の貧困のため、検診で虫歯が見つかっても治療されず「口腔崩壊」を起こしている子どもが多いことがわかったとした。
三木氏は保育園で、固いものを噛まないことで噛み合わせが悪くなっていたり、虫歯が増えていることに対し、母親とも連携して予防を行っているとした。
座談会は、フロアからの質問をもとに進行。訪問診療や医科歯科連携、医療危機について話し合われた。
会場からは連絡会世話人の歯科技工士・雨松真希人氏が発言し、長時間労働と低賃金の実情を報告した。
兵庫民医連の中村泰先生が閉会あいさつした。
対談内容は11月29日からラジオ関西番組「寺谷一紀と!い・しょく・じゅう」内19時30分頃からの「医療知ろう!」コーナーで放送しており、座談会の模様は1月10日から順次放送予定。ぜひお聞きいただきたい。