2013年4月15日(1716号) ピックアップニュース
燭心
TPPは単なる経済問題だけではない。覇権国家米国の奥の院から出てくる国家戦略である。軍事的、経済的に米国に次いで№2になろうという国を叩くことである。殷鑑遠からず▼かつて日英同盟というのがあったが、第一次大戦後、日英が太平洋、大西洋から米国を挟撃する可能性があり、米国の圧力にて1922年廃棄された。ソ連に対しても周辺に軍事同盟を築いて対抗した。その後、経済成長を成し遂げた日本のGDPが2番目になった頃から日本叩きを始め、プラザ合意を行って、急激な円高、内需拡大を強いられて、日本はバブル経済に陥り、現在の経済的停滞を招いた▼幸か不幸か最近、中国のGDPが米国に次いで№2になり、覇権国家をめざしている。米国は日本という駒を使って、対中国包囲網の一環として、TPPを推進せしめている。安倍総理がオバマと会って円安を容認させ、外資が日本株式に参入して株高になり、一部の投資家が資産インフレを享受しているが、多数の国民は円安のためガソリン代、電気代等の値上げに苦しんでいる。そもそも、日本に画期的な技術革新があったわけでもなく、単に円安誘導による見せかけの好況である▼安倍総理は改憲論者、現行の日本国憲法は米国の押しつけ憲法であると言うが、TPPも米国の押しつけでないのか。押しつけに反対する立場が一致しない。こういうのを口舌の徒という。アベノミクスでなく、アベ ロ (舌)ミクスというべきか。(鼻)