兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2013年4月25日(1717号) ピックアップニュース

主張 危険な改憲の動き、「ノー」の世論を大きくしよう

 改憲をめぐる動きが急である。自民党はこの10日に、改憲発議用件を緩和する96条改正案を「今国会にも提出したい」と発表した。夏の参院選挙で改憲派が3分の2を占めることになれば、一気に改憲へと突き進みかねない。
 この情勢に、「改正論には反対だ」(朝日新聞3月13日社説)などと、危惧の声も各界に強まっている。平和と社会保障を運動の柱とする私たち保険医協会も、憲法を守る運動をすべての会員に呼びかけたい。
 96条「改正案」は、改憲発議の要件が「衆参両院それぞれ総議員の3分の2以上」とされているものを「2分の1以上」に改めようとするものであるが、次の二つの点できわめて危険である。
 まず第一に、「3分の2」という厳格な規定は、時の権力者の都合のいいように憲法を改定できぬよう定められたハードルであるという点だ。
 そもそも憲法とは、主権者である国民が国家権力を縛るものという、近代立憲主義の考え方に基づく「最高法規」である。とりわけ、先の総選挙で「4割の得票で8割の議席」と批判された小選挙区制のもとでは、この歯止めは重要である。憲法は、国民の権利を守る最後の砦の役割も担っている。政権党の都合で、安易に改憲への道を開くことは絶対に許されない。
 第二に、改憲派の真の狙いは、憲法9条にあるという点である。自民党の石破茂幹事長が「憲法9条を念頭に」とあけすけに言うように、本丸攻撃の前に、外堀を埋める役割として位置づけられている。現憲法下では、違憲とされている集団的自衛権を認めさせようというのが真意だ。
 日本をアジアの「安全保障」の拠点にし、有事の際には米軍とともに戦闘に参加させようというアメリカの強い圧力に基づくものであろうが、果たしてそれでいいのか。
 日中、日朝などかつてなく緊張の高まる東アジア情勢の中、日本が果たすべき役割は「戦争をする国」になることでなく、憲法9条の理念を掲げて平和的解決のイニシアティブを発揮することである。
 不戦は、命と健康を守る保険医運動の原点である。戦争に巻き込まれる道につながりかねない改憲には、断固反対である。7月の参院選挙が大きな山場となる。「ノー」の世論を大きくしよう。
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