2013年7月15日(1724号) ピックアップニュース
「保険でより良い歯科」連絡会が懇談会 「命を守る歯科」へ 歯科従事者の協働を
(右端より)吉岡正雄副理事長、足立了平先生、冨澤洪基先生、高藤真理氏、雨松真希人氏がそれぞれの立場から歯科医療の未来について議論をした
基調提案で、代表世話人の吉岡正雄協会副理事長は、患者負担軽減・自由診療の保険導入・診療報酬改善を三位一体で取り組む「保険でより良い歯科医療」運動の意義を訴えた。
話題提供では、冨澤洪基先生(尼崎医療生協歯科所長)は、経済格差が歯科受診格差をもたらすとし、「いつでも、どこでも、だれでも」が「保険で良い治療」が保障されるべきだとした。
歯科衛生士の高藤真理氏(神戸常盤大学講師)は歯科衛生士の社会的認知も向上している中、その保健活動が評価されるよう、口腔ケアの保険点数化や周術期口腔機能管理の充実などが必要であるとした。
歯科技工士の雨松真希人氏(兵庫県商工団体連合会青年部会長)は金属冠の作業について、その実労働時間で歯科技工士の給与を時給換算すれば最低賃金以下になるとし、製作技工の費用が大臣告示(※)通り70%になるよう診療報酬が引き上げられるべきであるとした。
パネルディスカッションでは足立了平先生(神戸常盤大学教授)をコーディネーターに、口腔ケアなど全身の健康への歯科の重要な役割を国民に伝える努力や、歯科を担う3職種が力を合わせて医療費の総枠拡大を求める必要性などについて活発な意見交換が行われた。
「保険で良い歯科医療を」大阪連絡会世話人の戸井逸美大阪歯科協会副理事長と、兵庫協会会員でもある新原秀人衆院議員(維新)があいさつと発言をした。
※1988年に厚生大臣が発出した歯科技工にかかる費用の割合を示したもの。製作技工の費用が全体の約70%、製作管理の費用が全体の約30%と示した。