2013年11月25日(1736号) ピックアップニュース
燭心
安倍内閣が国会に上程した秘密保護法案は、国民の目、耳、をふさぎ、基本的人権を覆すとんでもないものである。法案は防衛、外交、スパイ行為、テロの4分野について「行政機関の長」が特定秘密と指定した情報は、外に漏らしてはならない、これを知ってはならない、知ろうとしたら罰するという▼例えば「この原発は危ない」という情報は「テロリストに知られたらよくない」という理由で、秘密にされかねない。また「オスプレイと自衛隊の共同訓練」という情報は「防衛上の秘密」となる。しかも重大なことは「何が秘密か」自体が秘密になる。ある日偶然に知った情報が「特定秘密」だとして処罰されかねない▼国家公務員などは秘密を漏らすと最高懲役10年の重罰なので、あらゆる情報を隠すことになる。マスコミが公務員に情報を要求すれば「教唆」、市民運動家が集会で情報提供を呼びかければ「扇動」である。国会議員も立場上、知った情報を演説会などで有権者に報告すれば処罰の対象となる▼取り締まりには公安警察が関わると思われる。戦前の特高が復活する可能性がある。居酒屋での仕事後の雑談にも警察が聞き耳を立てていて、少しでも口を滑らせたら連行される。鉄道マニアの写真撮影もスパイ行為として検挙されるかもしれない。天気予報さえ秘密事項に指定されうる▼この法案は憲法改悪とリンクし日本を戦争のできる国にしようとするものである。絶対廃案にすべきだ。(海)