2013年12月05日(1737号) ピックアップニュース
燭心
「ツワネ原則50」をご存じだろうか。米国の財団オープン・ソサエティー・ジャスティス・イニシアティブの求めで世界70カ国以上から安全保障や人権問題の専門家と国連関係者500人以上が集まり、2年以上議論し作成した「国家安全保障と知る権利に関する国際原則」で秘密保護の国際的指針だ。南アフリカの首都ツワネで発表された▼仏国ストラスブールにある欧州人権裁判所の判例などが基になっている。欧州諸国の最高裁判所の上位にある裁判所で、判断基準は「ジャーナリストが違法に秘密を入手しても、国民に知らせる利益が上回れば処罰されない」だ▼安倍政権は、戦前の治安維持法のような特定秘密保護法を数の力で成立させようとしている。明らかにツワネ原則違反であり、日本国憲法97条の基本的人権違反だ▼運命が変わろうとする今、全国ツアー中の佐村河内守作曲、交響曲第1番「ヒロシマ」を聞く機会を得た。第1楽章は暗黒の苦しみの中微かな光を頼りにもがくありさまが、第2楽章では神への祈りの後再び襲来する暗黒の苦しみ、打ち鳴らされる鐘の音は希望の光かそれともさらなる絶望の予言か、第3楽章は光と闇の戦い後の浄化と、再び打ち鳴らされる鐘の音で静かに終曲する。全聾と頭痛症の苦しみの中から僅かな希望を求め紡ぎだされた80分近い現代の名曲に、満員の観客はスタンディングオベーションをいつまでも続けた。この聴衆がいる限り日本国にはまだ希望がある(水)