兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2013年12月05日(1737号) ピックアップニュース

"歯"は転ばぬ先の杖 「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会が市民講座 広島市総合リハセンター 吉田光由先生が講演

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ユーモラスに語る吉田先生

 協会や県民主医療機関連合会などでつくる「保険でより良い歯科医療を」兵庫連絡会は11月23日、協会会議室で市民講座を開催。「歯から始まる健康長寿〜歯がないと卒中(たお)れる!?転ぶ!?〜」と題し、広島市総合リハビリテーションセンター医療科部長(歯科)の吉田光由先生が講演した。歯科医療関係者、市民ら67人が参加し、全身の健康と歯の健康との密接な関係について学んだ。

 吉田先生は、残存歯数が少ない人ほど、転倒や脳卒中のリスクが高まること、糖尿病患者では歯周病が高頻度でみられることなど、歯が全身の健康にとって重要であることを、データを示して解説した。
 また、歯が減少すれば野菜・果物の摂取不足になるなど、咬合状態と低栄養リスクの関係を説明し、義歯を使用することで咀嚼による物理的消化と吸収が促されるとした。
 さらに、認知症高齢者の調査で、残存歯数が少なくても義歯着用によって転倒を減らすことができた調査も示し、咬合と転倒には密接な関係があることも強調した。
 参加者からは、「咬合が全身におよぼす影響を理解でき、歯の大切さを実感した」「エビデンスがある話で非常にわかりやすかった」などの感想が寄せられた。

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全身の健康にとっての歯の大切さがデータで示された

 歯科衛生士の高藤真理世話人(神戸常盤大学講師)の司会で、吉岡正雄・代表世話人(兵庫協会副理事長)が開会あいさつした。歯科技工士の雨松真希人世話人(全商連青年部会議長)が閉会あいさつし、保険でより良い歯科医療の実現を求める請願への署名協力を呼びかけた。
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