2014年3月15日(1745号) ピックアップニュース
燭心
今国会に提出されようとしている「医療・介護総合法案」は介護保険制度のあり方にかなり踏み込んだものとなるようである。介護保険をめぐっては、提供側だけでなく、受ける側の問題も日ごろよく見聞きする▼認知症の症状は少ないが、四肢の機能障害があり、ヘルパーによる家事援助や通院援助を受けている人は多い。ごく一部で恐縮だが、自身がヘルパーの雇い主であると錯覚しているのではないかと思われるようなふるまいをしている人を見かける。横柄な態度で個人的用事を命じたり、本人がすべきであり、できることまで指図する。まるで召使いのようにヘルパーを扱っているのを見ると、はらはらする。ヘルパーも仕事のうちと、ずいぶん我慢しているようだ▼せっかくヘルパーの資格をとっても定着率が低いとよく聞く。原因は低賃金に加え、このように敬意を持って扱われないことにも一因があるのかもしれない▼最近知人の娘さんがヘルパーとして10年あまり働いた介護施設を辞めて、新しくできたスーパーで働くことにしたという。はじめは、世話好きで、少しくらい汚い仕事も平気、自分の性に合っていると喜んでいたのに。待遇の悪さ、施設の人遣いの厳しさ、誇りを持ってしている仕事を正当に評価されないことに嫌気がさしたようだ▼要介護人口の増加が見込まれる中、介護に携わる職員の社会的地位の向上と待遇面のバックアップを国の施策として取り組んでほしいものである。(硝子)