2014年4月15日(1748号) ピックアップニュース
燭心
「南極海での日本の調査捕鯨は国際捕鯨取り締まり条約に違反しており、今後実施してはならない」。反捕鯨国のオーストラリアが日本による調査捕鯨の中止を求めた訴訟で、オランダの国際司法裁判所が判決を言い渡した。日本は判決に従うとしている▼日本の関係者には衝撃的な判決だが、欧米諸国の捕鯨に対する見方は厳しい。日本は北大西洋でも調査捕鯨をしており影響は避けられないだろう。調査捕鯨の目的と成果の説明を尽くす必要がある。商業捕鯨との違いが明確でないのも問題らしい▼欧米諸国はかつて単に鯨油をとるために鯨を乱獲してきた。油だけ持ち帰り、肉などは捨てていた。捕りすぎて鯨が絶滅しそうになると今度は完全禁漁を言い出した。鯨を食べ物とみなす日本と保護すべき動物とする欧米諸国とは深い溝がある▼筆者の考えでは鯨は重要な食料で、油はおまけである。そもそも人間は雑食動物であり、動物性たんぱくを必要とする。人類は牛や猪を飼い慣らし食料としてきた。これらの動物をペットと考える人はほとんどいない。ペットになるのは犬や猫など、食料に不適切と思われる動物である。鯨は愛らしいところもあり、ホエールウォッチし可愛がりたいのはわかる。しかし捨てるところがないほど役に立つのも事実だ。牛や馬のように鯨も家畜化できないのか。漁業もとる漁業から育てる漁業に移行しようとしている。マグロのような巨大な魚も養殖可能となっているのだから。(海)