2014年6月05日(1752号) ピックアップニュース
燭心
現生人類は約20万年前にアフリカに出現し、わずか数万年前に地球上に分散し、国家を作った。居住地域の気候により肌の色、気質に差が生じたが、遺伝子レベルで単一種で民族や人種による優劣がないのは現在の科学で証明されている▼しかし戦前、特にドイツや日本ではそうではなかった。「皇民」という考えで周辺の民族を蔑視した。桓武天皇の母親は百済系の高野新笠*たかののにいがさ*。天皇家にも朝鮮人の血が混ざっている。戦前、日韓同祖という考えで、北方系民族である朝鮮人との婚姻は奨励していた。しかし中国大陸や南洋へ日本の占領地が拡大し、現地人との「混血児」が増えることを日本のような「単一民族国」は危惧したようだ。名目は性病蔓延による戦力低下、現地での婦女子暴行を防ぐためと、従軍慰安婦を戦地へ送った▼TV放送や出版物で、御用学者や政府に 阿 る解説者が「当時の公文書を調べても軍の関与はなかった」と答弁しているが、物証はなくても状況証拠は多数ある。軍や国が募集、渡航にあたり関与、便宜をはかったのは明白である。直接でなくても、仲介業者を通して関与している▼足を踏んだ者は覚えていないが、踏まれた者はいつまでも覚えている。今後も怨念が永続する、一部異論もあろう。屁理屈を言って弁済を先送りし次世代に迷惑をかけず、日本がまだ経済的余裕がある今のうちに、無駄な公共事業に回る金を補償に回すべきだ。金持ち喧嘩せず、後顧に憂いを残さず(鼻)