2014年9月05日(1760号) ピックアップニュース
燭心
安倍政権は集団的自衛権などと憲法を無力化し、戦争に突き進む策動をしている。米国とともに戦争に進むということで、米軍が攻撃された場合、自衛の名目で攻撃側と戦争状態になりうるのだ。憲法9条の戦争放棄は、自衛の大義名分のもと踏みにじられ、戦争状態に突入する。この過程は特定秘密保護法により隠蔽される可能性が高い▼そもそも満州事変から太平洋戦争に至る15年戦争は、靖国派によると大東亜共栄圏を欧米から守る自衛の戦いだそうだ。15年戦争ばかりでなく20世紀の戦争の多くはその理由に自衛を掲げている。百年前の第一次世界大戦もその原因は集団的自衛権だった▼戦争を促進する勢力にとってプロパガンダが重要だが、都合のよい映像だけを流す技術はコンピューターを使う現在の方が流しやすい。シミュレーションゲームのような攻撃映像を流せばよい。そうすれば戦争は、居心地の良い部屋で座って見ていれば、敵を撃破しまくって大勝利である。味方の兵士が反撃され死傷する映像など、もちろん流さない。爆撃に巻き込まれ死傷する非戦闘員など、もちろん流さない。爆撃で吹き飛ばされるのは全てテロリストで、非武装の人もその支持者なのだ▼あえて戦争犠牲者を報道しようとする人は、秘密保護法で逮捕する。15年戦争の時みたいに、戦争反対派に非国民とレッテルを貼ることもありえよう。集団的自衛権は最悪、15年戦争のような恐ろしい状況を再現しうる。反対しよう。(海)