兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2014年10月05日(1763号) ピックアップニュース

特別インタビュー ヴィッセル神戸 安達 亮 監督
神戸とともにチームも成長したい

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固く握手を交わす安達監督(左)と田中神戸支部長(9月11日、西区にあるいぶきの森球技場で)
【あだち りょう】1969年生まれ。兵庫県西宮市出身。市立船橋高校、専修大学を経て、横浜フリューゲルスで選手兼アシスタントコーチとなり、横浜Fマリノスコーチ、鹿児島実業高校コーチ、U-17日本代表監督、U-18日本代表コーチなどを歴任。2006年からヴィッセル神戸へ。10年ヴィッセル神戸強化部長、同年9月〜ヘッドコーチ、12年11月〜ヴィッセル神戸監督として指揮をとり、1年でのJ1復帰を達成

 Jリーグは、チーム名称は地域名+愛称を原則とし、ユースチームの運営を義務づけるなど、地域を基盤とする理念に基づいている。ヴィッセル神戸は97年にJFLからJリーグに昇格して17年。J2から1年でJ1に復帰し、今年はリーグ戦で10位以内を維持し続けている。地元神戸で盛り立てようと、安達亮監督に田中孝明神戸支部長がインタビュー。今季のチーム状況やこれからの意気込みなどを聞いた。
全力で勝ちを狙っていく
 田中 お忙しいシーズン中にありがとうございます。私がヴィッセル神戸のファンということもあり、会員の先生方に地元ヴィッセルの魅力を伝え、スタジアムに足を運んでもらおうと、インタビューを企画しました。さて、ヴィッセルは9月11日現在、リーグ戦第22節終了で9勝8分5敗、勝ち点35で5位、初のヤマザキナビスコカップ決勝トーナメントにも出場しました。一サポーターの私としては上出来ではないかと思っているのですが、この結果をどうとらえておられますか。監督は、シーズン前に目標は優勝と言っておられましたが。 
 安達 ナビスコカップと天皇杯を落としてしまい、一番タイトルを獲るのが難しいリーグ戦しか、チャンスが残っていないのは、非常に残念です。ナビスコカップは準々決勝で敗退しましたが、そのガンバ大阪戦でも、引き分けたホームゲーム第1戦で勝ち、第2戦をしのげていればと、悔しいですね。
 田中 去年J2から這い上がってきて、今年のJ1ではいかがですか。
 安達 J1は、選手のレベルも上がり、戦略について、相手もこちらの考えたことをロジカルにやってくるので、戦いやすいという印象はあります。
 ただ、昨年のように、何が何でも1年でJ1に復帰しなければいけない、絶対に負けられないという、ぎりぎりの緊張感があるほうが私には向いていると思います。今年タイトルを獲ると言ったのは、自分にプレッシャーをかけたという意味もあります。
 田中 リーグ戦の残り12試合、どう戦われますか。ヴィッセルはJ1では毎年残留を意識してきましたが、今年は残留ラインは固いように感じています。
 安達 トップに数字上たどりつける可能性がある限り、トップをめざし、1試合ずつ戦っていきます。ACL(アジアチャンピオンズリーグ)に出場できる3位以内争いには、シーズン最終戦まで絡んでいたい。それができなくなることは今考えていません。
 田中 全力で勝ちを狙っていくと。
 安達 はい、その通過点で残留は通り過ぎると見ています。
上位維持できるチームへ改革
 田中 今年の試合を見ていて、これまでヴィッセルと言えば堅守速攻のイメージでしたが、ボックス内でのショートパスを多用されるなど、ボールを持つ時間が長くなり、チームの戦術が変わってきたように思います。
 安達 そうですね。このクラブがタイトルを獲り、毎年安定して上位にいるため通らなければならない道だと思っています。ボールを持てるようになった上で、堅守速攻と両方が使い分けられるようにならなければ、J1では厳しい。今で言うとFC東京とかガンバ大阪のような、そういう変化をしたいと、今年思い切って取り組んでいるところです。
 田中 シーズン中の補強で、枝村匠馬選手と石津大介選手が加わりましたね。
 安達 2人とも、シーズン前から狙いをつけていて、うまくタイミングがあいました。攻撃する選手のタイプが同じになっていたので、違うアクセントを入れたいと考えました。
 田中 ペドロジュニオール、マルキーニョス、シンプリシオのブラジル人トリオには満足されていますか。
 安達 もちろん。すごくいい働きをしてくれていますし、何よりも〝for the team(チームのために)〟と動いてくれるのがいいですね。結構、守備もしてくれますし(笑)。
 田中 他にも、岩波拓也選手、小川慶治朗選手、松村亮選手がユースから上がって活躍していますね。
 安達 育成は、このクラブが発展していくために絶対欠かせない要素だと思っています。以前、サッカー協会の仕事をしていたとき、関西担当で兵庫県はサッカー人口も多く、原石がいっぱいいると思っていました。その兵庫で、ヴィッセルのクラブが育成に取り組んだ結果です。今後、もっともっと出てきますよ。
 田中 A代表に、森岡亮太選手、U21に岩波選手、その下の各クラスにも、日本代表がヴィッセルから選出されていますが、何を持って帰ってきてほしいですか。
 安達 勝負の厳しさです。1点、ワンプレーのミスでゲームが決まってしまうという、国内のリーグ戦とは全く違う、国際試合の戦いを経験して帰ってきてほしいです。勝つのと負けるのとは周りの扱いも大違いですし。私はU−17のコーチをしていたとき、世界大会にいけなかった、悔しい思いが今でもあります。
地元・神戸のシンボルでありたい
 田中 どういう資質の人がヴィッセルに入ってほしいとお考えですか。
 安達 神戸のことが好きな人ですね。ヴィッセルは阪神・淡路大震災のときにでき、神戸市に支援を受けているクラブです。神戸のまちのクラブでいたい、地元のシンボルでありたい。
そのことをよく理解してくれる人に育ってきてほしいし、一緒に戦っていきたいです。 
 田中 監督のご出身は西宮市ということですが、神戸市の印象はいかがですか。
 安達 生まれは西宮市ですがすぐ関東に引っ越したので、兵庫県に住むのはヴィッセル神戸に来てからです。もともと神戸には、港町で外国のものが入ってきて、受け入れてくれるという、そんな良いイメージがありました。そのイメージ通りで住みやすく、おだやかでいい街だなあと感じています。
 神戸のサポーターはあたたかい。もっとブーイングがあってもいいのにと思うときでも(笑)、本当にあたたかく応援してくれます。
 田中 監督は試合終了後、いつも審判の方と握手されていますね。他の監督では、見たことがないように思いますが、どういう思いで?
 安達 あまり考えたことはありませんでしたが、サッカー仲間としてのリスペクトでしょうか。審判の方々はすごく勉強されていて尊敬していると、そんな気持ちですね。
 田中 そうだったんですね。いつもいい光景だと見ています。最後に、座右の銘を教えてください。
 安達 そうですね、まずは「情熱のあるところに人も金も集まる」、それから、元全日本代表の岡田武史監督が言った「現状維持を考えた瞬間が衰退の一歩だ」。どちらも本当にそうだと思い、胸に刻んでいます。それと、座右の銘ではないかもしれませんが「夢力」です。「むりょく」というと「無力」になりますが、一字変えるだけで全く意味が変わり、力が湧いてくる。選手を良いと思ってみるのと、悪いと思ってみるのでは全く違うように、見方を変えることが大事だと思っています。
 田中 ありがとうございます。残りの試合、体に気をつけてがんばってください。


インタビューを終えて

 ぜひノエスタへ!
 ノエスタ(ノエビア・スタジアム)の試合もあとわずか、皆で応援に行って、少しでも上位進出を手助けしましょう!(田中)
ヴィッセル神戸 今後の試合予定
Jリーグ
第28節 10/18(土)13:00〜
 徳島ヴォルティス(鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム)
第29節 10/22(水)19:00〜
 鹿島アントラーズ(ノエスタ)
第30節 10/26(日)16:00〜
 大宮アルディージャ(ノエスタ)
第31節 11/2(日)19:00〜
 サガン鳥栖
 (佐賀 ベストアメニティスタジアム)
第32節 11/22(土)14:00〜
 横浜F・マリノス(ノエスタ)
第33節 11/29(土)14:00〜
 ガンバ大阪(大阪 万博記念競技場)
第34節 12/6(土)15:30〜
 川崎フロンターレ(ノエスタ)

〈ホームスタジアムのノエビア・スタジアム神戸へは、地下鉄海岸線・御崎公園駅徒歩5分〉
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