2014年10月15日(1764号) ピックアップニュース
燭心
宇沢弘文先生がお亡くなりになった。「医療は社会的共通資本であり、むやみに抑制すべきものではない」とのご意見は、わたしたちの運動の理論的よりどころとして大変頼りになっている。シカゴ大学経済学部の同僚フリードマンの新自由主義経済学を、制度派経済学の立場から厳しく非難された。日本の経済学者として、ノーベル経済学賞に一番近いところにおられただけに残念だ▼アベノミクスのため格差が広がっている。99%の貧困層と1%の富裕層でよいのか。新自由主義のメッカ米国でも次の大統領選挙の最大の争点である▼NHKのクローズアップ現代で16.3%となった子どもの貧困率を取り上げている。母子家庭で1日1食しか食べられず、月2回の料理の集まりでお手伝いをして、無料で食べられることに生きがいを見出し、もっと小さい子どもたちに紙芝居を読み聞かせる少女。友達と買い食いができないので不登校になった少年。ボランティアからの食糧援助に「お米が一番うれしいです」と答える母親▼子どもたちがお金の心配をせずに食べられるように、給食費の無料化を行った自治体。義務教育である小学校、中学校にかかる費用は本来国が全て持つべきだ。アフリカの貧しい国々でも、学校での無料の給食が始まっている▼結果の不平等は残るとしても、まずスタートラインでは子どもたちの潜在能力を開花させ、より良い未来をつくるために、政府与党は子どもの貧困対策に本腰を(水)