2014年11月05日（1766号） ピックアップニュース
燭心
イスラム国により数名の欧米人が斬首という残虐な方法で殺害された。殺害されたのはボランティアなど何の罪もない人らしい。イスラム国は数千人の虐殺や人身売買、婦女暴行など筆舌に尽くしがたい残虐行為を平然と行っているという。このテロ集団はイラク起源だが、盗賊集団ではなくイスラム教スンニ派のイスラム原理主義による狂信的集団らしい▼平和で民主的な状態でこのような悪魔的集団が発生するとは考えにくい。戦乱で荒廃したイラクの状況が、生み出したと考えられる。すなわち民主的とは言えないが安定したフセイン政権に、アメリカが一方的に戦争をしかけ、フセイン政権を打倒し首脳陣は処刑された。アメリカはイラクが大量破壊兵器を所持しているとの理由で戦争を起こしたが、後にこれらは全くのでっちあげであることが判明した。スンニ派であるフセインに対抗するために、アメリカはシーア派政権を作って民主的政権が成立したとしたが、そんな茶番劇でイラク人民は納得しない。指導者のいないイラクでは長く戦乱状態が続く。その憎しみを基盤にアルカイダなどのテロ組織が生まれ、イスラム国という怪物が登場した▼現在のところ、イスラム過激派の矛先は日本に向いていない。しかし集団的自衛権により日本がアメリカの連合軍として活動すれば、彼らの矛先が日本に向くかもしれない。海外でボランティアする日本の若者が斬首されるようなことがあってはならない。（海）
