2014年12月05日(1769号) ピックアップニュース
燭心
友人が、沖縄の南に位置する離島を訪れたときのことである。静かで美しい海辺を散歩していて驚いた。浜は多量のゴミで埋め尽くされていた。プラスチックの容器やペットボトルには、中国語やハングルが印字されていた。大陸から流れ着いてきたらしい▼それを見た途端、このゴミの山を片付けるのが自分の仕事だと思ったという。早速、丘の上に売りに出ていた元ペンションだった建物を購入し、島へ足しげく通い、ゴミを集め、自治体の家庭ゴミの収集日に出したという。けれど、何度出しても残されていた。自治体の担当者の言うことには、海からのゴミは収集できないとのこと。海に戻すか、業者に有料で処分を頼むしかないと言われたそうである。これでは海の汚染はますます進むばかり。彼女はどちらもしなかった。プラスチックを小さく切り刻んで家庭ゴミに混ぜて、収集車に持っていかせた▼その後、彼女が本土で所属する某ボランティアクラブの姉妹クラブの例会が、この島で開かれることを知って、出席。自己紹介の際、この大陸から漂着したゴミの問題を話したところ、早速この姉妹クラブの主要な活動の一つに採択されたという▼話を聞いて、その島へ無性に行きたくなった。今年の年末から正月にかけて、3泊4日の予定で訪れることにした。彼女が守ろうとしている、美しい海と満点の星空と手つかずの自然を楽しみにしている。彼女の決断力と行動力に、心から敬意を表したい。(硝子)