兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2015年3月05日(1776号) ピックアップニュース

燭心

 20万年前、現世人類である我々(Homo sapiens)は東アフリカで誕生した。約8万年前、紅海を渡ってアラビア半島へ、 〝出アフリカ〟、栄光のユーラシア大陸への進出。当時の気候は今とは違っていたが、肥沃な三日月地帯で野生の小麦を見つけ羊等を家畜化し、農耕、牧畜を始めた。人類文明史で画期的な進歩があった▼16世紀初め、同じ基督教徒の新教と旧教の争いが起こり、ドイツ30年戦争でドイツ国内は疲弊し近代化が遅れたが、1648年ウェストファリア条約で、宗教上の理由で国家間の争いはやめようという気運が興った。それが近代国家の始まりで、その後欧州の白人社会では、宗教上の戦争は起こっていない▼安倍総理は神戸で開かれた1月17日の阪神・淡路大震災の慰霊式を欠席し、カイロで有志連合側(米国側)に2億ドルの日本国民の血税を供与すると喧伝した。余計なことをしたものだ。G8先進国の中で唯一日本がイスラム世界に対して手を汚していない。日本国民として誇りにして良い歴史的事実だ。寄付行為は目立たぬようにすべき、これ見よがしにすべきでない。テロリストの反発を食らう。政治家として配慮が浅く、自己顕示しすぎである▼Homo sapiensはラテン語で「知恵ある・・・・ ヒト」の意味だが、皮肉にも人類文明発祥、揺籃のアラビア半島で未だ人間同士の争いが絶えない。この数万年間、人類は何をしてきたのか?「知恵ある人」に名前負けしないでほしい。(鼻)
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