兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2015年3月15日(1777号) ピックアップニュース

談話 東日本大震災から4年−−− まちなみと住民の生活再建を
理事長  池内 春樹

1777_4.jpg 今年は阪神・淡路大震災から20年、東日本大震災から4年の節目の年である。
 阪神・淡路大震災では、「借り上げ復興住宅から20年の契約期間が経ったから退去してほしい」と自治体から要求され、高齢になった被災者はせっかくできた地域の絆がなくなるので困っている。
 東日本大震災では8万3千棟もの仮設住宅がいまだに使われている。住宅地の少ない三陸地方の特殊性はあるにしても、政府が率先して自治体と協力し、復興住宅を速やかにつくるべきだ。阪神・淡路大震災でも経験したが、劣悪な住宅環境では高血圧、糖尿病、高脂血症など、ストレスによる病気の新たな発症や増悪が3人に1人に起こっている。
 兵庫協会では、東日本大震災発生直後から今まで30回以上にわたって「被災者に元気を」との願いで、被災地訪問を続けている。
 東日本大震災のもう一つの問題が原発事故だ。被ばくを恐れて兵庫県にも避難されている家族がおられる。避難者健診も、兵庫県民主医療機関連合会と協力して行っている。原発の速やかな廃炉と除染が求められる。
 震災関連死を増やさないためにも、まず生活の基盤である住宅の復興が必要だ。また生活再建のためには仕事が必要だ。仕事や住居がないため、被災県からの人口流出が続いている。
 復興予算で長大で巨大な防波堤を造るのでなく、子どもたちの未来のために、地域のまちなみと住民の生活を再建してほしい。これこそが、阪神・淡路大震災を経験した兵庫県民としての願いである。創造的復興ではない、「人間の復興」を求めて、連帯のメッセージとしたい。
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