兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2015年3月25日(1778号) ピックアップニュース

燭心

 本年3月、北陸新幹線・長野−金沢が開通した。報道では非常にめでたい出来事として紹介されていたが、そんなにめでたいことだろうか▼開業により、東京までわずか2時間30分で行けるが、そのメリットを実感できる人はどれくらいいるだろうか。北陸地方の保団連の役員が大会などに出席するには、かなり役立つだろう。開業のキャッチフレーズは東京を中心とする考えによる、地方と中央の直結であるが、「地方創生」も最近ではよく言われる▼東京まで2時間30分で行けることで、日常生活で大幅な恩恵を受ける人は、そう多くないと思われる。最も恩恵を受けたのはゼネコンなどの大企業であろう。巨額の収入である▼結局は大企業を潤すのが目的なので、新幹線開業後、JR在来線は第3セクター化したり廃線になったりしている。廃線にならなくても、それまで利用してきた通学生や、病院に通うお年寄りには不便になったりする。新幹線しか利用できない状況も起こり、その場合は大幅な運賃値上げとなる。県などの地方公共団体が第3セクターの経営を押しつけられ、地方への負担が大きくなる▼新幹線建設に費やされる巨額の資金は医療保険制度にまわしてもらいたいというのが、筆者の意見である。新幹線建設の際に発生する駅舎整備などの事業は、地方が請け負うようにしなければならない。そうしないと大企業は貪欲に系列で事業を独占してしまい、「地方創生」の達成が不十分となる(海)
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