兵庫県保険医協会

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兵庫保険医新聞

2015年5月15日(1782号) ピックアップニュース

燭心

 5月3日は憲法記念日、この憲法のおかげで日本は70年間戦争に巻き込まれなくて済んだ。「憲法」を英語でConstitutionという。これはわれわれ医療従事者にもなじみ深い医学用語で、人体の「体質」という。憲法とはまさに国家の体質である▼幕末に結んだ不平等条約をなくし近代国家の体裁を整えるため、プロイセン憲法を参考に憲法を公布したが大きな問題があった。内閣や首相に統帥権がなく軍部は内閣の監督を受けず暴走し、悲惨な戦争へ導いた。折しも安倍総理の憲法9条違反の自衛隊に対し、「我が軍」発言。何となく独裁者ヒトラーのSS(親衛隊)を連想させる危険発言である▼Constitutionを「憲法」と翻訳したため、聖徳太子の十七条憲法と混同し誤解を招く。これは貴族、官僚に対する訓戒であり、仏教の精神基調を理念としたものである▼いかなる原始国家でも、権力秩序のあるところには治める者と治められる者との間に支配の範囲、統治の方法について一定の取り決めが存在する。成文化されなくても支配関係に内在する慣習的な規範として成立すべきものである。Constitutionは、欧州における君主の専制権力に対し制約を加えるものであった。国家を統制する「国制」「政体」と翻訳すべきで国の体質であり、DNAで決定された人体の体質同様、生まれ変わる以外、強引に変えられない。無理に変えればアナフィラキシーショックを起こす。世界に誇る平和憲法を守ろう(鼻)
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