2015年5月25日(1783号) ピックアップニュース
燭心
約束とは強い信頼において成立するもの。太宰治作〝走れメロス〟偉大なまでに強い友情と信頼、明らかに殺されることを承知で約束を果たすメロス、それを信じる友人のセリヌンティウス▼子どもの頃の、約束を守るため〝指切りげんまん〜〟もよく知られたところ。由来は諸説あるが〝げんまん〟とは1万回のゲンコツのことで、いわばボコボコにしてやるということだ▼民主主義において選挙の際に行われる約束は「公約」ともいわれる。近年政治の堕落でこれが守られなくなり、民主党時代には「マニフェスト」と衣替えしたがかえって逆効果であった▼暴走安倍政権はこれに極まれり。公約に「可能な限り原発依存度を減らし」としながら、エネルギー政策で15年後の原発は稼働延長、新設をしなければつじつまが合わない目標。基地問題、国内では〝よく話し合い、理解を得るように云々〟であるが日米2+2で辺野古移設が唯一の解決策と合意▼集団的自衛権行使容認、そもそも憲法下では行使できないとされていたにも関わらず解釈改憲のごり押し。それも政治的決着はおろか国民的論議もせず、日米首脳会談で新ガイドラインの確認、当然自衛隊の集団的自衛権の行使を確認したのだ▼約束の順序が間違ってはいないか。日本の政治を動かすトップとしては失格。いやいや日本の将来のこと重要問題だ。政治家の約束=公約、今となっては「口約」=口約束となった政治の堕落。〝げんまん〟はいかが(無)