2015年5月25日(1783号) ピックアップニュース
第87回評議員会を開催 患者負担増ゆるさない
新理事長に西山裕康先生を選出
14人から発言があり、
会務報告・方針案等が確認された
池内理事長(左)へ
西山副理事長から花束を贈呈
池内春樹理事長は開会あいさつで「安倍政権は集団的自衛権の行使を容認する安全保障法制を閣議決定した。短期間に与党議員の数をたのもうとする、許しがたい暴挙」とし、運動の必要性を強調。入院給食費の自己負担増や生活保護患者へのジェネリック医薬品の強制など、患者負担増計画が進行するなか、協会が取り組む「ストップ患者負担増」署名にさらなるご協力を、と呼びかけた。
武村副理事長は会務報告・方針案で、「協会が『頼りになり、役立つ協会』となるよう努め、広範な国民・団体と共同して、社会保障制度の拡充、東日本大震災被災者の生活と医療機関の再建、消費税の再増税阻止、憲法と平和を守る運動に力をつくす」などと提案した。
質疑応答・討論では、各支部の多彩な取り組みや、患者負担増ストップ、原発再稼働阻止、子ども医療費無料化の活動、NPT(核不拡散条約)再検討会議の報告など、14人から発言があり、会務報告・方針案・予算案を第47回総会への提出議決とすることを可決した。
患者負担増計画をやめることや消費税の10%増税の中止などを求める決議を採択した。
新理事長に選出された西山副理事長は「(1)協会活動の原点を大事にしよう、(2)会員として誇りを持てる協会にしよう、(3)協会の活性化とさらなる拡大を目指そうの3点を大切に、協会の発展、充実に誠心誠意努力したい」と訴えた。
池内理事長は退任あいさつで「協会が大切にしなければならないことは日本国憲法と開業医宣言だ。新執行部が、会員とともに、この大局を乗り越えてくださることを祈念している」と述べた。
特別講演で権力監視がメディアの役割と
強調する金平氏
メディアの劣化に危機感
特別講演では、TBSの老舗番組『報道特集』のメインキャスターを務めている金平茂紀氏が、報道現場の最前線から見た安倍政権とメディアの問題点について語り、市民ら184人が聞き入った。金平氏は、戦時中の「大本営」に見られるように、政府は必ず嘘をつくので、権力監視を行うこと、少数者の視点を大切にし、多様な意見を確保することが、本来メディアの持つ大切な役割であるが、現在のメディアは、政権との緊張関係がなくなってしまっていると解説。
安倍政権は、集団的自衛権の行使容認の閣議決定を具体化する安保法制の整備や、原発再稼働、沖縄・辺野古沖への米軍基地移設強行など、「国民主権」から「国家主権」へ国のあり方を転換させようとし、メディアへの統制も露骨になっていると危機感を表明した。
【にしやま ひろやす】
1957年生まれ、1982年神戸大学卒。1992年入会、2000年明石支部副支部長、2011年理事(審査対策部長)、2013年副理事長・保団連代議員会副議長
理事長選出のごあいさつ
西山 裕康5月17日の評議員会にて選出され、理事長の大役を仰せ付かることとなりました。
兵庫県保険医協会は、初代の桐島正義理事長から池内春樹理事長に至るまで、歴代の先生方が粉骨砕身され、全国に誇れる協会に成長しております。このような協会をお引き受けするのは、非常に光栄であると同時に、身の引き締まる思いがいたします。
協会の目的は「開業保険医の生活と権利を守り、患者・住民とともに地域医療の充実と向上をめざす」ことです。
その実現には、すべての会員が、情報や意見を交換し、目的を共有し、意欲を高められるように、内外への広報活動を強化し、協会の認知度を上昇させ、その活動の理解度を深めることが必要です。
特に協会の特徴である「患者・住民とともに」という点を重視し、医療だけでなく、介護、福祉の改善のために、患者・住民、関係団体に幅広く働きかけたいと思っています。そして、兵庫協会の会員であることそのものを誇れるような組織にしたいと思っています。
輝かしい先達の先生方に負けないように、学習し発言し行動する理事長として、副理事長、理事の先生方とともに、医科歯科一体となって、また事務局員と一丸となりまして、これまで以上に協会の発展、充実に尽力する次第です。
そのためには、皆さまのお力が不可欠ですので、ご理解とご協力、ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いします。