2015年6月15日(1785号) ピックアップニュース
燭心
意識とは何だろうか。AI(人工知能)にも意識は生まれるのだろうか。生き物全てに意識があるとして、生きとし生けるもの全てが心から願っていることとは何だろうか。それは天寿を全うすることではないだろうか。天寿を全うすること、すなわち生きることである。天寿を全うすることを許さないこととは何だろうか。地震や津波・干ばつや台風・火山の噴火などの自然災害、飢餓や病気などではないだろうか▼人間には言葉がある。自然災害は防げないが備えることはできる。飢餓や病気はお互いに助け合うことによってある程度は防ぐことができる。人間が言葉を持って助け合うことで余剰生産物が生まれた。この余剰をどう使うかに人間の知力が試されている。一部の人の利益にするのか、それとも全体の利益にするのかである▼なぜ、同じ人間なのに住むところが違う、言葉が違うだけでいがみ合うのか。人間の天寿を阻害する最大のものは戦争である。自国民の利益を守るため、すなわち自国民の平和と安全を守るために、との口実を掲げて行われた戦争の、何と多いことか。人間は戦争の道具として、宇宙ロケットや核兵器まで発明してしまった▼そろそろ人類は、その英知をもって反戦・非戦・反核・非核の流れを世界共通の願いとして実現する時だ。日本国憲法9条はその願いを先取りした、日本が世界に誇る条文である。九条の会・兵庫県医師の会や反核医師の会に、ぜひご参加をお願いする。(水)