2015年7月15日(1788号) ピックアップニュース
燭心
ドイツで開かれたG7サミットで、首脳宣言が採択された。中国による南シナ海の岩礁埋め立てに「強く反対する」と明記。力による現状変更の試みを厳しく批判した▼G7の中で米英日独仏はすべて過去に中国に対し武力で威圧した国家群ではないか! 中国人にとって、かつての帝国主義国にとやかく言われる筋合いなどないだろう▼1840年アヘン戦争、1856年アロー戦争に負けた。しかしインドのように英国の植民地にならなかったのは、清という巨大な版図を有する中央集権国家であったからで眠れる獅子と恐れられたからだ▼だが1895年、新興の小国・日本に完敗(日清戦争)。これが分水嶺になり眠れる豚と侮られた。その後、英米仏日独に寄ってたかって半植民地扱いを受けた。当時の上海の外国人居留地(租界)には「犬と中国人、入るべからず」という立て札があった。過去に偉大な文明を作った中国人にとって辱めを受けた相手に到底、素直に従うとは思えない。今やGDPが世界第2位になり豊かになりつつあるが、宋の時代、経済力があって豊かであっても、軍事力がないため北方の異民族に敗れた(靖康の変)。歴史上、中国人には経済力に見合う軍事力をつけないと外国になめられるというトラウマがある。西ヨーロッパに産業革命が起こるまで、世界のGDPの30%は中国であった。近年軍事力を増強し、自信をつけている中国の面子を立てる別な外交方針が必要ではないか(鼻)